研究課題
基盤研究(C)
毒素原性大腸菌のLTの変異毒素と腸管出血性大腸菌(EHEC)の致死毒素(Stx2)誘導体をマウス経鼻投与し、2種のStx2中和モノクローナル抗体(No 75D9,No45)を分離した(MI、71、2015)。各MAbの遺伝子配列の決定後、遺伝子組換え技術によりヒト-マウス型のキメラ抗体を作成した。毒素とキメラ抗体の事前混合液を用い、Hela細胞によるin vitro中和実験を行った。その結果、No 75D9とNo 75D9キメラ抗体は、同程度にStx2を中和した。また、No45とNo45キメラ抗体も同様の結果が得られた。しかしNo75D9キメラ抗体の中和能力は、No45キメラ抗体より強力であった。また毒素とキメラ抗体混合液を、マウス腹腔内投与したin vivo中和実験を行った。その結果は、in vitro中和実験と同様の結果を得た。さらに、毒素をマウスに事前ipし、キメラ抗体をivした。その結果、毒素ip後30分以上抗体ivが遅れた場合、抗体中和効果が半減した。この傾向は、No75D90およびNo45の元抗体及びキメラ抗体での同等に認められた。またキメラ抗体のマウス血中clearanceを検討した。その結果、元のMAbに比べ、キメラ抗体の血中clearanceは高かった。以上の結果から、No75D9キメラ抗体は、No45キメラ抗体に比べ、中和能力が高く、臨床応用の可能性が高い。但し,マウスMAbに比べ、血中内安定度は低い。従って、抗生物質投与などで血中毒素濃度が急上昇する場合、抗生物質とキメラ抗体を同時ivする必要がある。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件)
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