研究課題/領域番号 |
15K08588
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター (2017-2018) 神戸大学 (2015-2016) |
研究代表者 |
向原 徹 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 科長 (80435718)
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研究協力者 |
下野 洋平
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2015年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 3次元培養 / PDX / 3D培養 / トラスツズマブ / PI3K / 脂肪幹細胞 / 初代培養 / 薬効試験 |
研究成果の概要 |
我々は、乳癌細胞株を用いて、2D培養下と3D培養下における抗悪性腫瘍薬の薬効を比較した。その結果、殺細胞型抗がん薬では2D培養下で感受性が高い傾向にあり、抗HER2抗体では3D培養下で感受性が高い傾向にあった。実臨床での効果を考慮すると、3D培養がより生体環境を反映している可能性が示唆された。 悪性体腔液由来癌細胞の3D培養では、混入する血液細胞や中皮細胞が問題となったが、播種する細胞数や培養液中の血清濃度を調節することで実施できた。PDX由来乳癌細胞の3D培養では、脂肪幹細胞との共培養が癌細胞の増殖を増強すること、その作用には脂肪幹細胞由来のadipsinが関与することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不確実な抗悪性腫瘍薬の効果を体外で事前に評価し、がん薬物療法の確実性を増すための技術開発は、過去数十年間種々試みられてきた。しかし、従来の2D培養では不正確であることは明らかであり、より生体に近いと推定される3D培養に期待が集まっている。我々の細胞株を用いた研究では、抗がん薬と分子標的薬でそれぞれ3D培養下での薬効が異なることを新たに見出し、3D培養に対する知見を深めることができた。当初の目標である、薬効試験に耐えうる3D培養技術の開発は達成できなかったが、体腔液内癌細胞の3D培養、脂肪幹細胞との3D共培養を試み、その礎を築くことができた。今後も、技術開発を推進したい。
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