研究課題
基盤研究(C)
加齢に伴う動脈硬化の進展と認知症が深く関係していることは多くの研究で示されている。本研究では経頭蓋ドップラー検査で測定した脳血流動態および頭蓋内動脈硬化度の指標を用いて、健常高齢者と比較して、認知症患者では脳血管機能が低下していることが示された。また、これらの指標は認知機能、アルツハイマー型認知症でみられる海馬萎縮や海馬血流の低下、及び脳血管認知症でみられる大脳白質病変と関係していることが示された。また経頭蓋ドップラー検査で得られる指標は従来の動脈硬化の指標(pulse wave velocity)より認知症と関係が強いことが示唆された。
最近の研究で、加齢に伴う動脈硬化の進展が将来の認知症発症の予測因子であること、更には認知症の病理学的変化に先行して生じることが示されている。そのため、高齢者の動脈硬化の進展を評価することが認知症発症の高リスク群の同定や早期治療に有用であると考えられてきている。本研究では非侵襲的な方法で脳血管機能を評価し、脳血管機能が認知症と関係していることを示した先駆性の高い研究であり、学術的意義は大きいと言える。更に、これらの指標は従来の動脈硬化の指標より認知症と関係が深いことが示されており、認知症発症の高リスク群の同定や早期治療に新しいアプローチを提供する可能性があり、社会的意義も大きいと言える。
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