研究課題/領域番号 |
15K08933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般(含心身医学)
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
井上 大輔 日本医科大学, 医学部, 教授 (60385292)
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研究分担者 |
岡崎 敦 順天堂大学, 医学部, 教授 (10185415)
五十嵐 中 東京大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (20508147)
篠原 一之 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30226154)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2015年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ジメチルトリスルフィド / がん患者の悪臭 / 銅 / 銀 |
研究実績の概要 |
本研究はがん患者の悪臭の解決のため計画された。医療器具を銅や銀(イオン)でコーティングすることで患者の悪臭を減少させる報告があるが、明確なevidenceはない。我々は銅や銅のがん患者の悪臭抑制作用の仮説として、銅や銀が①既知のがん患者の悪臭の主成分ジメチルトリスルフィド自体を分解すること、②微生物を抑制することで前駆物質からジメチルトリスルフィドに代謝されることを防ぐことに注目した。 初年度は①の仮説の解明のため、ガスクロマトグラフ質量分析法(測定装置;島津製作所GCMS-TQ8030カラムRESTEKRtx-1)を用いて、既知のがん患者の悪臭の主成分ジメチルスルフィドを空気中のバクテリアにさらし(37℃3時間incubate)、銅で分解可能か調べた(長崎大学)。 結果、ジメチルトリスルフィド+コントロール(純水)とジメチルトリスルフィド+銅イオン水の2群の比較で、ジメチルトリスルフィドの量に変化はなかった。即ち上記条件下で銅がジメチルスルフィドを分解する効果はみられなかった。 研究の一環として、医療者に対する臭いのアンケート調査(解析:東京大学)を、日本医大(78人)と順天堂大学(45人)にて行った結果、現場の看護師・医師にとって患者の悪臭の頻度は高く、深刻な問題と判明した。 同時に実際のがん患者サンプルを使用した実験(倫理委員会承認済み)を予定していた。しかし代表研究者の異動先の日本医大千葉北総病院では、この1年間で被験者が見つからなかったため、さらに同病院で患者スクリーニング調査(2574人)を行ったが、やはり悪臭を気にするがん患者がいないことが判明した(日本緩和医療学会で報告)。このようにがん患者数が少ないという、代表研究者の研究環境の変化のため、やむなく研究の中止に至ったが、本研究は微量金属の制菌効果による防臭効果や悪臭前駆物質の更なる研究の可能性を示した。
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