研究課題/領域番号 |
15K09025
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
小林 功幸 東京医科大学, 医学部, 准教授 (20379746)
|
研究分担者 |
杉本 勝俊 東京医科大学, 医学部, 講師 (20385032)
大城 久 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60381513)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2016年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2015年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 不可逆電気穿孔法 / 肝癌 / 肝臓 / 肝細胞癌 / ラジオ波焼灼療法 |
研究実績の概要 |
不可逆電気穿孔法(IRE)はラジオ波焼灼療法とは異なり、高圧電流により細胞膜に不可逆的なナノサイズの小孔を開け、細胞のアポトーシスを惹起する非熱的アブレーション治療として期待されている。その特徴は既存の組織構築を温存しながら,細胞を死滅させ,血管,胆管への影響が少ない点とheat-sink effectがない点にあり、太い脈管に近接する肝癌に対する有効性も報告されつつある。我々は,肝に対するIREおよびRFA後の組織学的変化を検討するとともに、肝癌に対するIREの有効性と安全性を評価する臨床試験を行った 【結果】基礎的検討:ブタ肝臓におけるIREの組織学的所見は肝細胞のアポトーシス、うっ血所見を認める一方、類洞の細網線維、膠原線維は保たれていた。IREのパルス数の増加とともに門脈炎、胆管炎の増強を認めたが、門脈・胆管の蛋白の抗原性は保たれていた。一方、RFAでは線維組織及び門脈・胆管の染色性は消失していた。MIB-1染色では治療翌日よりIRE部の胆管上皮のMIB-1 indexは非IRE部に比し、著明に上昇し(80% vs 9%)、門脈内皮のindexは治療3日後にピークに達した(50% vs 10%)。 臨床的検討:肝癌患者19症例,27結節に対しIRE治療(2,000-3,000V, 90-360 pulses)を全身麻酔下、心電図同期下にエコーガイド下で行った. IRE治療は全症例に対し完遂され,1例で局所再発を認めた,grade 3以上の有害事象は3例(血小板減少、心房細動、腹腔内出血)に認めた. 【結論】IREの局所制御率は良好で,太い脈管に近接する腫瘍に対しても安全な治療法であった.IREは組織学的に脈管や線維組織の構造が保たれ、焼灼後早期より胆管等の脈管が再生する特徴を有していたことより,RFAではリスクの高い太い脈管に近接する肝癌に対する適応が期待される。
|