研究課題
基盤研究(C)
301例の筋炎生検症例を用いて筋炎特異抗体と特徴的な病理変化との関係を明らかにした上で、筋束周辺部萎縮を有した症例:抗Jo-1抗体(n=4)、抗Tif1γ抗体(n=5)、抗Mi2抗体(n=5)の生検筋でmRNA発現プロファイル解析をおこなったところ3群はそれぞれ固有のグループを形成した。さらに、明らかな炎症・組織破壊像のない筋組織症例:抗Jo-1抗体(n=4),抗MDA5抗体(n=4)、抗Tif1γ抗体(n=4)を用いてmRNA発現プロファイル解析をおこなったところ3群はそれぞれ固有のグループを形成した。形態変化の現れる初期より筋自己抗体ごとに特徴的なmRNAが動いていることを明らかにした。
筋炎特異抗体と特徴的な筋病理所見の関係検討や、筋炎特異抗体ごとの筋組織mRNA発現プロファイル解析は過去に充分になされていない。本研究では多数例を用い網羅的に統計的に検討した点、組織所見を対応させた上でmRNA発現プロファイル解析を行った点で意義がある。病理変化の初期より抗体ごとに特徴的なmRNAの変化が存在したことは、これらの変化が組織変化の結果ではなく原因であることを示す。本検討は病理変化の初期のmRNAの変化を筋炎特異抗体ごとに捉えることで筋炎亜群ごとの最も初期の病態解析が可能であることを示した。ステロイドなどの非特異的な治療とは異なる病態特異的な治療方法の開発に繋がることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
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