自己免疫性下垂体疾患の発症メカニズムの解明と臨床応用

• 研究課題/領域番号: 15K09431
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 内分泌学
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 井口 元三 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (60346260)
• 研究分担者: 高橋 裕 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (70301281)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円); 2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円); 2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
• キーワード: 自己免疫性下垂体疾患 / 抗PIT-1抗体症候群 / 腫瘍随伴症候群

研究成果の概要

自己免疫性下垂体疾患の患者を集積して、抗PIT-1抗体症候群で一例の男性症例と、世界で初めての女性症例一例を加え、合計5症例を報告した。また、IgG4関連下垂体炎が、IgG4関連自己免疫性膵炎症例の5％に合併することを明らかにした。
抗PIT-1抗体症候群患者の全例に胸腺腫瘍を新たに見出し、胸腺腫瘍細胞中にPIT-1タンパクが異所性に発現していることが原因であることを証明した（Sci Rep.2017）。この事から、自己免疫性下垂体疾患の原因として。腫瘍随伴症候群のメカニズムが関与する「胸腺腫関連自己免疫性下垂体疾患」という全く新しい概念を提唱した。

研究成果

• [雑誌論文] Two Cases of Atezolizumab-Induced Hypophysitis (2017)
  • 著者名/発表者名: Kanie Keitaro、Iguchi Genzo、Bando Hironori、Fujita Yasunori、Odake Yukiko、Yoshida Kenichi、Matsumoto Ryusaku、Fukuoka Hidenori、Ogawa Wataru、Takahashi Yutaka
  • 雑誌名: Journal of the Endocrine Society 巻: 2 号: 1 ページ: 91-95
  • DOI: 10.1210/js.2017-00414
  • NAID: 120006767927
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] A novel thymoma-associated autoimmune disease: Anti-PIT-1 antibody syndrome. (2017)
  • 著者名/発表者名: Bando H, Iguchi G, Okimura Y, Odake Y, Yoshida K, Matsumoto R, Suda K, Nishizawa H, Fukuoka H, Mokubo A, Tojo K, Maniwa Y, Ogawa W, Takahashi Y.
  • 雑誌名: Sci Rep. 巻: 20 号: 1 ページ: 43060-43067
  • DOI: 10.1038/srep43060
  • NAID: 120005997120
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] A Novel Clinical Entity of Autoimmune Endocrinopathy: Anti-PIT-1 Antibody Syndrome. (2017)
  • 著者名/発表者名: Iguchi G, Bando H, Takahashi Y.
  • 雑誌名: Front Horm Res. 巻: 48 ページ: 76-83
  • DOI: 10.1159/000452907
  • ISBN: 9783318060133, 9783318060140
• [雑誌論文] 抗PIT-1抗体症候群 下垂体機能低下症をきたすわが国発のあらたな疾患概念 (2016)
  • 著者名/発表者名: 坂東 弘教, 井口 元三, 高橋 裕
  • 雑誌名: 医学のあゆみ 巻: 257 ページ: 1256-1258
• [雑誌論文] A diagnostic pitfall in IgG4-related hypophysitis: infiltration of IgG4-positive cells in the pituitary of granulomatosis with polyangiitis. (2015)
  • 著者名/発表者名: Bando H, Iguchi G, Fukuoka H, Taniguchi M, Kawano S, Saitoh M, Yoshida K, Matsumoto R, Suda K, Nishizawa H, Takahashi M, Morinobu A, Kohmura E, Ogawa W, Takahashi Y.
  • 雑誌名: Pituitary 巻: 18 号: 5 ページ: 722-730
  • DOI: 10.1007/s11102-015-0650-9
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Anti-PIT-1 antibody syndrome; a novel clinical entity leading to hypopituitarism. (2015)
  • 著者名/発表者名: Bando H, Iguchi G, Yamamoto M, Hidaka-Takeno R, Takahashi Y
  • 雑誌名: Pediatr Endocrinol Rev. 巻: 12 ページ: 290-296
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] A novel pathogenesis of isolated ACTH deficiency: Paraneoplastic syndrome. (2018)
  • 著者名/発表者名: Bando H, Iguchi G, Kanie K, Fujita Y, Odake Y, Yoshida K, Matsumoto R, Suda K, Fukuoka H, Ogawa W, Takahashi Y.
  • 学会等名: ENDO 2018 第100回米国内分泌学会議
  • 国際学会
• [学会発表] シンポジウム 5 自己免疫性下垂体疾患の診断と治療 自己免疫性下垂体疾患の新たな病態 (2018)
  • 著者名/発表者名: 井口元三,坂東弘教,高橋裕
  • 学会等名: 第28回 日本間脳下垂体腫瘍学会
• [学会発表] 当院で経験した免疫チェックポイント阻害薬関連下垂体炎の8例 (2017)
  • 著者名/発表者名: 蟹江 慶太郎、井口 元三、坂東 弘教、立花 真理子、金谷 雅之、山田 倫子、藤田 泰功、小武 由紀子、吉田 健一 、松本 隆作、福岡 秀規、小川 渉 、高橋 裕
  • 学会等名: 第27回 日本内分泌学会 臨床内分泌代謝Update
• [学会発表] 肺大細胞神経内分泌癌を合併した傍腫瘍症候群としてのACTH単独欠損症の一例 (2017)
  • 著者名/発表者名: 坂東弘教、井口元三、蟹江慶太郎、藤田泰功、小武由紀子、吉田健一、松本隆作、隅田健太郎、福岡秀規、小川渉、高橋裕
  • 学会等名: 第27回 日本内分泌学会 臨床内分泌代謝Update
• [学会発表] シンポジウム21 IgG4関連疾患の基礎と臨床 IgG4関連下垂体炎の病態、診断と治療 (2017)
  • 著者名/発表者名: 井口元三、坂東弘教、高橋 裕
  • 学会等名: 第90回 日本内分泌学会学術総会
• [学会発表] CPC / 症例検討２視床下部下垂体の炎症性疾患 下垂体自己免疫の新たな病態 (2017)
  • 著者名/発表者名: 井口元三、坂東 弘教、福岡 秀規、髙橋 裕
  • 学会等名: 第90回 日本内分泌学会学術総会
• [学会発表] 下垂体機能低下症を呈する「抗PIT-1抗体症候群」4例の臨床的検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 坂東 弘教, 井口 元三, 小武 由紀子, 吉田 健一, 松本 隆作, 隅田 健太郎, 西澤 衡, 福岡 秀規, 犬塚 恵, 杢保 敦子, 東條 克能, 小川 渉, 高橋 裕
  • 学会等名: 第２６回臨床内分泌代謝Update
  • 発表場所: 大宮
  • 年月日: 2016-11-18
• [学会発表] 特発性後天性全身性無汗症に中枢性尿崩症を合併した一例 (2016)
  • 著者名/発表者名: 高橋 隆, 福岡 秀規, 坂東 弘教, 山田 倫子, 岡田 裕子, 井口 元三, 小川 渉, 高橋 裕
  • 学会等名: 第２６回臨床内分泌代謝Update
  • 発表場所: 大宮
  • 年月日: 2016-11-18
• [学会発表] 抗PIT-1抗体症候群は新たな胸腺腫関連自己免疫疾患である (2016)
  • 著者名/発表者名: 坂東 弘教, 井口 元三, 福岡 秀規, 小武 由紀子, 吉田 健一, 松本 隆作, 隅田 健太郎, 西沢 衡, 高橋 路子, 杢保 敦子, 東條 克能, 小川 渉, 高橋 裕
  • 学会等名: 第８９回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2016-04-21
• [学会発表] 新たな下垂体炎、視床下部自己抗体疾患 下垂体機能低下症を呈する新たな疾患概念「抗PIT-1抗体症候群」 (2016)
  • 著者名/発表者名: 高橋 裕, 坂東 弘教, 福岡 秀規, 井口 元三
  • 学会等名: 第８９回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2016-04-21
  • 招待講演
• [学会発表] 下垂体機能低下症を呈する新たな疾患概念の発見とその発症機序の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 高橋 裕
  • 学会等名: 第9回Special Seminar神奈川Adult GHD講演会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2015-11-20
  • 招待講演
• [学会発表] 下垂体機能低下症を呈する新たな疾患概念の発見とその発症機序の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 高橋 裕
  • 学会等名: 第15回日本内分泌学会東北支部学術集会
  • 発表場所: 青森
  • 年月日: 2015-10-31
  • 招待講演
• [学会発表] 下垂体機能低下症を呈する新たな疾患概念の発見とその発症機序の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 高橋 裕
  • 学会等名: 第73回和歌山内分泌代謝研究会
  • 発表場所: 和歌山
  • 年月日: 2015-10-08
  • 招待講演
• [学会発表] 下垂体機能低下症を呈する新たな疾患概念の発見とその発症機序の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 高橋 裕
  • 学会等名: 第1回大阪内分泌代謝疾患塾
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2015-10-02
  • 招待講演
• [学会発表] 下垂体機能低下症を呈する新たな疾患概念とその発症機序の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 高橋 裕
  • 学会等名: 第42回日本神経内分泌学会
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 2015-09-19
  • 招待講演
• [学会発表] 下垂体機能低下症を呈する新たな疾患概念の発見とその発症機序の解明 (2015)
  • 著者名/発表者名: 高橋 裕
  • 学会等名: 第15回日本内分泌学会四国支部学術集会
  • 発表場所: 高知
  • 年月日: 2015-09-05
  • 招待講演
• [学会発表] 新規胸腺腫関連自己免疫疾患としての”抗PIT-1抗体症候群 (2015)
  • 著者名/発表者名: 坂東 弘教、井口 元三、福岡 秀規、吉田 健一、松本 隆作、隅田 健太郎、西澤 衡、高橋 路子、東條 克能、小川 渉、高橋 裕
  • 学会等名: 第88回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2015-04-23
• [図書] Frontiers in Hormone Research Endocrine Immunology (2016)
  • 著者名/発表者名: Iguchi G,Bando H,Takahashi Y
  • 出版者: Karger
• [備考] 神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌学分野 神経内分泌研究グループ
  • URL: http://www.med.kobe-u.ac.jp/im2/doctor/activity/acti-04.html
• [備考] 胸腺腫による新たな自己免疫性下垂体疾患を発見―自己免疫発症メカニズムの解明につながる―
  • URL: http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/research/2017_02_21_01.html