研究課題/領域番号 |
15K09499
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山下 浩平 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80402858)
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研究協力者 |
水岸 貴代美
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 好中球細胞外トラップ / IgG4関連疾患 / 自己免疫性膵炎 / 不育症 / スフィンゴ脂質 / スフィンゴシンキナーゼ / 流産 / PAD阻害剤 / PAD4阻害剤 / 形質細胞様樹状細胞 / 1型インターフェロン / IL-33 |
研究成果の概要 |
好中球の新たな細胞外殺菌機構として知られる好中球細胞外トラップ(Neutrophil Extracellular Traps, NETs)は感染防御に寄与する一方、細胞外へ放出した組織傷害性の強いヒストンや抗菌蛋白により、種々の免疫・炎症・血栓性疾患の病態形成に関与することが報告されている。本研究では、病態生理が十分に明らかでないIgG4関連疾患の一型である自己免疫性膵炎や、スフィンゴ脂質代謝の異常により母児間の免疫寛容が破綻したため発症する習慣性流産を対象として研究をおこない、その病態形成においてNETsが極めて重要な役割を果たすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、稀少疾患である自己免疫性膵炎の病態にNETsが関与することを明らかにし、その治療としてNETs産生系制御の可能性を示した。また、母児間の免疫寛容の破綻による流産マウスモデルの解析から、NETsがエフェクターとなり流産を引き起こすことや、NETs産生を抑制するPAD4阻害剤の投与により流産の割合が劇的に低減することを示した。これらは、これまで主に獲得免疫系の異常と考えられた疾患の病態に自然免疫系、特に好中球の異常が深く関わることを示した、学術的に独自性の高い研究成果である。 また、原因不明の不育症の病態の一端を明らかにし、その新規治療の可能性を示したことは極めて社会的意義が大きい。
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