研究課題
基盤研究(C)
遺伝子改変を施したHSV-1であるT-01が21種類のヒト造血器腫瘍細胞株中16細胞株で殺細胞効果を示した。HSV-1レセプターnectin-1の発現レベル、T-01のエントリー量、殺細胞効果の三者に正の相関関係がみられた。これに一致して、nectin-1のノックダウン細胞においてT-01のエントリー量が減少し、nectin-1陰性細胞へのnectin-1強制発現によって殺細胞効果が付与された。以上より、造血器腫瘍におけるHSV-1の殺細胞効果は、nectin-1を介したエントリーに強く規定され、nectin-1の発現が有効性のバイオマーカーになると考えられた。
がんウイルス療法がさまざまな固形がんに対する免疫療法の1つとして発展しつつあり、中でもHSV-1がメラノーマに対して実用化されている中、このウイルスが造血器腫瘍に対しても有効性が期待できることが示された。このことは、造血器腫瘍に対する免疫療法の選択肢を増やし治療成績の向上につながるとともに、今後ウイルス療法と免疫チェックポイント阻害療法の併用といった複合的免疫療法の開発に発展しうる成果である。
すべて 2018 2017 2016 2015
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 2件、 招待講演 6件) 図書 (1件)
International Journal of Hematology
巻: 107 号: 3 ページ: 260-261
10.1007/s12185-018-2420-8
Clinical Immunology
巻: 187 ページ: 76-84
10.1016/j.clim.2017.10.007
Leukemia
巻: 31 号: 1 ページ: 203-212
10.1038/leu.2016.174
Cancer Immunol Res
巻: 4 号: 2 ページ: 136-145
10.1158/2326-6066.cir-15-0148
Blood
巻: 125 号: 23 ページ: 3527-3535
10.1182/blood-2014-10-607465
日本臨床免疫学会雑誌
巻: 38 号: 7 ページ: 127-134
10.4049/jimmunol.1500971
130005089220