研究課題/領域番号 |
15K09965
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
仲村 究 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30736690)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 放射線障害 / 日和見感染症 / 敗血症 / 炎症性サイトカイン / 炎症性バイオマーカー |
研究成果の概要 |
申請者のこれまでの検討から、急性期炎症状態にある個体で誘導される血清蛋白の一つであるオロソムコイドは、過剰な炎症進行を抑制する作用のある抗炎症性蛋白としても機能し、M2マクロファージの誘導に関与する。本研究では放射線障害が腸管にもたらすダメージについて検討しており、放射線照射量に比例して、特にマウス空腸での腸管絨毛構造の配列の明らかな乱れをH-E染色による切片あるいは電子顕微鏡的に観察することが出来た。上記の抗炎症性物質であるオロソムコイド投与群では放射線照射による腸管細胞のダメージが軽減される傾向を認めており、それらの物質が腸管保護的に作用する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線障害により起こる腸管からのbacterial translocationが発生する機序の一つとして、骨髄抑制によって腸管粘膜の自然免疫リンパ球がダメージを受けることが想定される。本研究結果により、骨髄抑制以外にも腸管の絨毛構造や微絨毛の脱落によっても発生することが示唆された。このように絨毛構造が剥離した部分は正常な構造的バリアを有さないことから細菌感染が促進すると考えられ、敗血症の進展に至ると考えられる。本研究から、抗炎症性作用を持つオロソムコイドはIL-10の産生を介して放射線性粘膜障害を軽減し、治療等の合併症によって腸管粘膜ダメ―ジを受けた場合にそれを軽減する可能性が示唆された。
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