研究課題
基盤研究(C)
小学生サッカー選手352名につき、症状の有無に関わらず大腿骨顆部の形状を超音波診断装置を用いて評価した。左右の内顆、外顆それぞれに長軸像、短軸像を確認し、軟骨下骨の不整のないもの(N)、軽度の不整のあるもの(G1)、著しい不整のあるもの(G2)に分類した結果、次のような結果が得られた。右外顆ではN:193、G1:153、G2:6、右内顆ではN:161、G1:186、G2:10、左外顆ではN:165、G1:180、G2:7、左内顆ではN:145、G1:193、G2:13であった。左右、内外顆いずれかにG2を認めた選手30名に対して病院受診を勧めたところ、膝離断性骨軟骨炎の診断がついた選手は8名であった。以上の結果から、大腿骨顆部の不整は内顆に多く認められたものの、不整の強いG2については統計学的有意差はみられなかった。また、サッカーの場合、特に小学生年代は蹴り足と軸足に偏りが大きいと予測されたが、左右差も認めなかった。30名中8名が離断性骨軟骨炎と診断されたことについては、症状がないうちに診断をつけて治療を行うことができた意義は大きいと考えるが、確定診断を受けた症例の超音波画像の特徴をさらに調査して、よりスクリーニングの精度を向上させる必要が求められる結果となった。特にG1とG2に違いが何であるのか、単なる発育過程の時期の違いなのか、あるいは病的なものなのかを調査していく必要があると考える。
すべて 2015
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The Journal of Medical Investigation
巻: 62 号: 3.4 ページ: 109-113
10.2152/jmi.62.109
130005099154