研究課題
基盤研究(C)
マウス三叉神経第1枝を頭蓋外から挿入したジアテルミー電極で焼灼することで安定して神経麻痺性角膜症マウスモデルを作成することに成功した。このモデルマウスの角膜は透明性が維持されるものの角膜知覚が低下し、角膜上皮欠損の修復遅延が起こる。このマウスの障害三叉神経にTRPV4 AAVを注入し、障害三叉神経及び角膜の残存三叉神経でTRPV4を強制発現させることで角膜上皮欠損の修復遅延を回復することができた。またこの修復過程で角膜のNGF発現が上昇していた。
神経麻痺性角膜症は、三叉神経第1枝領域が障害され角膜知覚が低下することで角膜障害と角膜創傷治癒遅延が惹起される疾患であるが、病態解明が不十分でそれに基づく根治的な治療法はない。角膜保護剤や抗生剤点眼などの対症療法のみできわめて難治性である。知覚神経麻による神経終末からの神経ペプチドが病態に大きく関与していると想定する中、それらの神経ペプチドの分泌に関与するTRPV4を障害三叉神経で強制発現させることがの神経麻痺性角膜症の治療標的となる可能性を示せた。
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Lab Invest.
巻: 99(2) 号: 2 ページ: 210-230
10.1038/s41374-018-0118-4
Cornea
巻: 34