研究課題/領域番号 |
15K11049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
植田 高史 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90244540)
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研究分担者 |
柴田 泰宏 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (10534745)
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (20326135)
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研究協力者 |
津嶋 宏美
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 味覚受容 / 酸味 / 酸感受性イオンチャネル / 水素イオン / 膝神経節 / シナプス伝達 / 側方抑制 / 酸味受容 / ASIC / TRPV4 / 口腔解剖学 / プロトン / P2X2/3 ATP受容体 / タンパク質発現解析 / 機能解析 / 口腔生理学 / 味覚受容体 / mRNA解析 / RT-PCR / in situ hybridization / 免疫組織化学 |
研究成果の概要 |
マウス味蕾において酸感受性イオンチャネル1a(ASIC1a)は味細胞ではなくP2X2/3陽性の神経線維に豊富に発現していた。この神経線維の投射元の膝神経節ニューロンでは水素イオンによりATP応答性が種々の程度に変化していた。この変化は主にP2X2とP2X3によってもたらされ、P2X3単独発現細胞ではリガンドに対する応答が酸によって抑制される一方、P2X2/3発現細胞では抑制されず、さらにASIC1aの有無で様々な応答の修飾が観察された。シナプス伝達を介したIII型味細胞による酸味の伝達に水素イオンが神経伝達修飾因子として働き、その伝達にASIC1aが関与している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、従来不明であった「なぜ味蕾という狭い空間で、塩味、酸味、甘味、苦味、うま味という性質の異なる味を混線することなく受容できるか」についての新知見が得られた。本研究によれば、酸味を感じる際、水素イオンが放出され、これが酸味以外の味伝達経路を抑制して酸味の伝達を強調していると考えられる。味覚伝達の様式がラベルドライン(味ごとに異なる神経線維で伝える方式)か否かについては未だ学会でも結論に至っていないが、水素イオンという新たな因子が発見され、味覚受容機構の理解が進んだ。また、さらに高齢化を迎える日本では味覚障害も多くなると予想され、この理解と克服につなげる一助となることを目指した。
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