研究課題
基盤研究(C)
歯周病性歯槽骨破壊の要因は、炎症サイトカインによる骨芽細胞におけるRANKLの発現誘導と考えられている。一方、骨芽細胞は破骨細胞分化の抑制因子OPGを分泌する。本研究では、炎症局所に集積する好中球および好中球が放出する主要なプロテアーゼであるエラスターゼがOPGのC末death domainを加水分解すること、好中球および好中球エラスターゼは、骨芽細胞・骨髄細胞共存培養系における破骨細胞分化を促進すること、α1アンチトリプシンは好中球によるOPG分解を阻害することを見出した。以上から、歯周病性歯槽骨破壊に好中球エラスターゼが関与する可能性が示唆された。
歯周病性骨破壊を含め骨吸収を担う破骨細胞分化は、RANKL/OPGの発現比の変化によって制御されると考えられている。一方、我々は世界で初めて、細菌性プロテアーゼによるOPGの分解によるRANKL/OPG比の上昇が破骨細胞分化の調節に重要な役割を持つことを提唱した。本研究は、この概念を発展させるもので、我々自身の持つプロテアーゼが破骨細胞分化調節において同様の役割を持つことを明らかにしたものである。この成果は、歯周病性骨破壊にとどまらず、骨粗鬆症や関節リウマチなど全身性の骨疾患の病態形成の理解に大きく寄与する可能性を持つものであり、それらの疾患の治療法の開発にも重要な示唆を与えるものである。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 3件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (33件) (うち国際学会 13件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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