研究課題
基盤研究(C)
ガドリニウム内包ナノカプセルを合成し、構造決定を行った。得られたナノカプセルはGd-DTPAやガドリニウムの単核錯体や副核錯体に比べ、水の緩和度が向上することを明らかにした。また、トリアミド基を有するナノカプセルを合成し、構造決定を行った。そのナノカプセルの空孔内部にアセチルコリンが包接されることを明らかにした。ビフェニル基をリンカーとしたナノカプセルを合成し、構造決定を行った。ビフェニル基を有するナノカプセルはコバルトイオン、クロロホルム、アセトニトリルの三成分を同時に空孔内部に包接できることを明らかにした。
ガドリニウムMRI造影剤は、遊離のガドリニウムイオンが組織に沈着し肝臓・骨髄などに毒性を持つことが報告されていることから、ガドリニウムイオンの濃度を増やすことなく高感度化することが望まれている。本研究成果で得られたガドリニウム内包ナノカプセルは、ガドリニウムイオンを分子状のカプセル内部に導入した初めての例であり、水の緩和度がガドリニウムイオンの内包化により向上することを示した初めての例である。本手法がガドリニウムMRI造影剤を高感度化するための新たな選択肢となると考えられる。
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