研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、生体腎移植ドナーの継続的看護支援モデルを開発することであった。先行研究で導き出した、生体腎移植ドナーの継続的看護支援モデルを臨床応用可能なモデルにするため、移植経験者交流会の実施・評価と、移植コーディネーターとのディスカッションを行った。交流会は、術前の生体腎移植ドナーの意思決定支援に、術後のドナーには経験を語る場となり、効果的な支援となることが示唆された。長期的フォローアップの継続には、術前の健康管理指導とレシピエントを通じた受診の促しが重要と示唆された。
本来移植医療は死体ドナーからの臓器提供により実施されることが望ましい。しかし日本で実施される腎移植は、死体ドナーからの臓器提供が極めて少なく、約9割が生体ドナーの腎提供によるものである。この背景から、腎不全で苦しむ家族のために腎臓を提供する生体ドナーが、腎提供後に片腎となっても心身ともに生涯に渡り健康であることは、重要な課題である。腎提供後のドナーの腎機能は70%程度に低下する傾向にあり、生涯渡り受診を継続し健康管理をすることが重要であるが、受診を長期間継続することは難しい。研究結果で明らかとなった受診継続のためのいくつかの方略は、臨床において活用可能な実践的な内容であり、一定の意義を有する。
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Transplantation Proceedings
巻: Volume 49, Issue 5 号: 5 ページ: 944-949
10.1016/j.transproceed.2017.03.023