研究課題
挑戦的萌芽研究
放射線リスクの定量評価については総線量をパラメータとする線形閾値無し仮説が根底にあるが、対抗モデルとして時間に対する微分方程式を作成した。がんリスクが最も問題になることから、突然変異の発生から、多段階で変異が発生しがんが発生する、がんが成長しがん死に至るまでの段階についてそれぞれ時間依存の数理モデル化を目指した。その結果、突然変異についてはもぐらたたきモデルの有効性を確認した。多段階がんについてはもぐらたたきモデルを多段階にしたモデルを作成し、網膜芽細胞腫のデータを概ね再現することを確認した。放射線誘発がんが寿命の短縮に繋がるモデルを作成し、データを概ね再現することを確認した。
時間依存性を考慮した数理モデルを作成することで、物理過程としての生体の構成要素の破壊だけではなく、生物過程としての回復を自然に考慮することが可能となる。今回、突然変異の発生から、多段階突然変異によってがんが発生し、がんによって個体が死ぬまでの過程の数理モデルを構築できる見込みが立ったことにより、現状のLNT仮説に替わる、放射線のリスクの定量評価の可能性を示せた。今後、生物種の違いを反映させることが可能になれば、放射線の正確なリスク評価が可能となり、放射線、原子力の利用がより適切に行われるようになり医療が変革される。更に、原子力従事者の作業指針、大規模原子力災害の帰還指針が変わる可能性を示した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (65件) (うち国際学会 24件、 招待講演 18件) 図書 (1件) 備考 (2件) 学会・シンポジウム開催 (2件)
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