研究課題/領域番号 |
15K12439
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
江田 真毅 北海道大学, 総合博物館, 講師 (60452546)
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研究分担者 |
川上 和人 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50353652)
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研究協力者 |
沖田 絵麻
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | コラーゲンタンパク / 種同定 / 遺跡出土動物骨 |
研究成果の概要 |
土井ヶ浜遺跡の1号人骨・「鵜を抱く女」と共伴した鳥骨の同定は、弥生文化の宗教儀礼の理解に重要である。しかし、これらの骨は断片化しており、骨形態の観察による同定は困難であった。そこで本研究では、コラーゲンタンパクのアミノ酸配列の違いによる同定を鳥類に初めて適用した。現在日本に生息する鳥類を対象に、同定に役立つアミノ酸配列のピークを特定するとともに、「鵜を抱く女」と共伴した鳥骨を分析した。その結果、「鵜を抱く女」と共伴した鳥骨はフクロウ科のものであることが明らかになった。一方で、これらの鳥骨が人骨に副葬されたかどうかはさらなる検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
女性シャーマンの埋葬例とされる「鵜を抱く女」に共伴した鳥骨の同定は、弥生時代の宗教儀礼の理解に大きな意味をもつ。また、本研究はコラーゲンタンパクによる遺跡出土動物骨の同定を日本で初めて体系的に試みた例である。小さな骨片や骨角器からの少量のサンプリングで同定が可能なこの方法は、本研究を契機に日本でも広く利用されるようになる可能性がある。さらに、この方法を鳥類に応用した研究は世界的にも例がなく、本研究で特定された分類群間の判別に役立つアミノ酸配列の情報や、コラーゲンタンパクによる鳥類の分類階級の解像度に関する知見は世界的なスタンダードになると考えられる。
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