研究課題/領域番号 |
15K12794
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山本 由美子 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 講師 (20716435)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 統治性・統治 / 生権力 / 出生前遺伝子検査 / 子産み / 中期中絶・人工死産 / 胎児 / 21トリソミー / 生資本 / 統治性 / 女性身体 / 遺伝子検査 / 人工妊娠中絶 / Marthe Gautier / 子産みの統治性 / 自律性 / 言語的承認 / 生命のない子ども / 科学者のジェンダー / 女児 / 身体 / 出生前遺伝学的検査 / 調整 arrangement / 生命のない子ども enfant sans vie / 欧州 / 統治性 governementality / 自律 / 中期中絶 / 誘発分娩・人工死産 / 規範 / 実存 |
研究成果の概要 |
本研究は、生命科学技術とりわけ出生前遺伝子検査をめぐる諸問題を、医療・倫理・社会・ジェンダーの視点に基づいて考究したものである。また、この過程において、"統治性"概念を軸としながら理論構築したものである。 本研究によって示唆されることは次のとおりである。第一に、新バイオテクノロジーが生身の身体(女性・胎児)を凌駕しえない一方で、産科や遺伝学の医療経済と専門家養成は活性化し、さらには新技術の運用体制の普及が妊婦へのある種の「救済」として価値付けされつつあることである。第二に、新技術の利用によって、女性身体こそを照準とし、胎児を包摂しながら資本を生み出すような生政治がすでに展開されていることである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の社会的意義は、新バイオテクノロジーを利用した生政治とバイオ資本主義の関係を、出生前遺伝子検査を切り口に浮き彫りにしたことにある。その背景には、死産児の「医学的」・「社会的」・「倫理的」創生があることも看過できない。こうした生政治に取り込まれていく女性身体、胎児、女性の主体性のありようを分析するための理論的枠組みとして以下を明らかにした。すなわち、①再生産(生殖/中絶)における生命科学と資本主義の共生産の関係、②認知する主体としての妊婦と「倫理という統治性」の関係である。本研究の独創性と学術的意義は、〈妊婦身体と中絶胎児をめぐる生資本論〉というあらたな資本論と統治研究を拓いたことである。
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