研究課題/領域番号 |
15K12933
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
史学一般
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
冨山 一郎 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (50192662)
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研究協力者 |
松島 泰勝 龍谷大学
駒込 武 京都大学
板垣 竜太 同志社大学
小川 正人 北海道立アイヌ民族文化研究センター
鳥山 敦 沖縄国際大学
森本 眞一郎 郷土史家
島袋 まりあ ニューヨーク大学
ウェスリー 上運天 サンフランシスコ州立大学
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 沖縄戦後史 / 沖縄独立 / 領土的主権 / 生権力 / 軍事的暴力 / 奄美復帰運動 / 戦後歴史学 / 主権 / 自治 / 東アジア / 軍事基地 / 人文学 / 島嶼社会 / 戒厳状態 / 沖縄 / 独立 / 植民地主義 / 冷戦体制 / 国民国家 / 国家主権 / 例外状態 / 戦後史 |
研究成果の概要 |
沖縄は近代的主権の淵、あるいは例外状態の位置にたえずおかれてきた。恒常的に例外化に曝されているといってもいい。このような位置から歴史を描くことを検討した。結論としていえることは、歴史を語る言葉は既に、驚くほど近代的主権やその基盤である領土あるいは国民という主体に浸食されていることである。あるいは何を政治といい、経済といい、社会というのかという前提や、公的領域と私的領域の区分も、近代的主権が構成する秩序を担っている。したがって、例外化に曝された位置が歴史を獲得することは、まずもって何を歴史というのか、その歴史はいかなる言葉において担われるのかという問いとしてあることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会的には「沖縄独立」という声は現在そこかしこに生じている。それを肯定的にせよ否定的にせよ沖縄の歴史をふまえて議論する枠組みは、いまだ明確になっていない。いいかえれば領土的主権を前提にしない歴史や政治を議論する枠組みがいまだ存在しないのである。本研究は、単に人文学的検討ということだけではなく、現在の社会運動などにおける「沖縄独立」という声や情動をいかに議論のテーブルにのせるのかという問いに答えようとしたものである。いまだ論点を提示するにとどまっているが、「沖縄独立」をめぐる、可能か不可能かといった単純な区分ではない議論の可能性を提示した点で、その社会的意義は大きいと考える。
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