研究課題/領域番号 |
15K13396
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊永 英寿 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (00435645)
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連携研究者 |
南部 健一 東北大学, 電子光理学研究センター, 技術専門職員 (00422072)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 核異性体 / 原子核励起 / トリウム / 放射化学 / 核化学 / 核励起 / 原子核 / 標準 |
研究成果の概要 |
質量数229のトリウム原子核(Th-229g)には,これまで知られている中で最も低い励起エネルギーを持った準安定状態(Th-229m)が存在する。この励起エネルギーは7-8 eVの真空紫外光に相当し,この間の遷移が高精度の”原子核”時計として利用できる可能性を持っている。しかしながら,これまでTh-229gからTh-229mへと直接励起したという確からしい報告は無い。そこで本研究では電子線を用いたTh-229gの直接励起を目指した大電流電子線照射装置を開発し,その性能を確かめた。また,電子線照射のための標的作成法の検討や,標的となるTh-229gをU-233から精製することも合わせて行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究には,これまで1994年に数 eVの励起エネルギーを持つ特異な原子核であることが知られて以来,誰も成功していないTh-229mの直接崩壊信号の観測を目指すという基礎科学的な意義がある。また,本研究で行われたTh-229電子線励起の試みはTh-229gのレーザー励起法の開発など次のステップに進む上での基礎データとなるため,次世代”原子核”時計を開発する上での重要な一歩となる。また,本研究の過程でU-233から分離され研究に使えるように整備されたTh-229試料は,娘核種に核医学分野で注目されるAc-225など有用RIを含むため,本研究以外にも利用されつつある。
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