研究課題
挑戦的萌芽研究
放射の偏光状態を高速に制御できるマイクロ波アンジュレータの研究開発を行った。電子ビームを水平方向と垂直方向に蛇行させるための2つのモードの電磁場を1つの共振器の中に励振できる高周波空洞を設計し、その試作機を製作した。試作機の電磁場分布をビーズ摂動法により測定し、その電磁場分布より電子ビーム軌道などを評価した。それにより、空洞端部の電磁場がビームに与える影響について明らかにすることができた。また、極短電子ビームにより発生したコヒーレントアンジュレータ放射の可干渉性を利用した、新たな偏光操作方法を考案した。加速器電子ビームを用いた試行実験により本偏光操作方法の原理を実証することができた。
電磁波の重要な特性の一つである偏光を操作することによって、様々な機能材料の研究開発がなされてきた。現在、THz波領域においては、広帯域で使用可能な光学素子の開発が遅れており、偏光を自由に操作できる光源の開発が待たれている。本研究で開発した高速偏光スイッチ可能なマイクロ波アンジュレータやコヒーレントアンジュレータ放射の偏光操作技術をテラヘルツ波発生に応用することによって、高速通信に用いられる光デバイス開発を飛躍的に進展させることができる。また、生体科学分野においても偏光制御可能なTHz光源は、タンパク質の立体構造を調べるのに極めて有用である。
すべて 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
Infrared Physics & Technology
巻: 93 ページ: 335-339
10.1016/j.infrared.2018.08.011
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan
巻: - ページ: 122-125
巻: - ページ: 216-220
巻: - ページ: 817-820