研究課題/領域番号 |
15K13538
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
牧野 浩典 東海大学, 情報理工学部, 准教授 (40338786)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2015年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | フラクタル / 準位統計 / 量子カオス / 自己相似性 / 分岐現象 / ビリアード力学系 / ビリアード / 量子準位統計 / リュービルメジャーの計算 / 周期点の決定 / フラクタル的な振動の検出 / 高速なアルゴリズムの開発 / エネルギー準位 |
研究成果の概要 |
自然界には「部分」と「全体」が相似的に折り畳まれた構造や文様が大小あらゆるスケールで普遍的に見られ、この現象をフラクタルとよびます。フラクタルは従来からの幾何学の概念を越え、今やカオスと並び非線形科学を象徴する重要な概念となっています。本課題では量子系の準位反発にフラクタル性を起源とする自己相似振動を検出し、詳細に解析しています。量子力学が有効性を増すミクロケールの物理現象においても、プランク定数で規定されるスケールまでフラクタル性が観測可能できる事を数値実験で明らかにしています。さらに、フラクタル性の発生と深い関係を持つ分岐現象が量子系に与える効果を半古典論の立場から理論的に解明しています。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題の最大の成果はフラクタル現象の量子力学的兆候を捉えたことにあります。研究成果は物性理論に加え、微小な半導体素子を扱う応用分野にも有用な知見を提供しています。また研究課題を進める中で偶然発見したエネルギー準位列の異常な集積は物理系の特性に依存しない普遍的な現象です。今後さらに研究を重ねることで、量子カオスの研究分野に新しい法則の存在を報告できます。この現象は準位集積の発生メカニズムに従来とは異なる新しい原因(古典系の分岐に由来する原因)があることを意味しています。非断熱遷移に関連した量子アニーリング法などの応用分野に対して有効な知見を提供することができます。
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