研究課題/領域番号 |
15K13553
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
長屋 智之 大分大学, 理工学部, 教授 (00228058)
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研究分担者 |
後藤 善友 別府大学短期大学部, その他部局等, 教授 (60290657)
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研究協力者 |
折原 宏 北海道大学大学院, 工学研究科, 教授 (30177307)
日高 芳樹 九州大学大学院, 工学研究院, 教授 (70274511)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | レオロジー / 液晶 / 電気対流 / 液晶電気対流 / 散逸構造 |
研究成果の概要 |
ある種の液晶に電圧を印加すると対流が発生する。電圧が高いと対流は乱流状態になるが,液晶には乱流状態が2つある。disclinationと呼ばれる配向欠陥をもつ動的散乱モード(Dynamic Scattering Mode 2:DSM2)と,それを持たない動的散乱モード(DSM1)である。この2種類の乱流状態の粘性の違いを研究した。粘度計の性能限界のために両者の粘性に著しい違いは観測されなかったが,DSM2状態で見かけの粘性が負になる現象を発見した。負の粘性とは液体が自発的に流れることを意味する。負の粘性の発見は通常物質では初めてであり,学問的に非常に価値の高い発見といえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で最も学術的に意義がある成果は,液晶電気対流の乱流状態において見かけの粘性が負になる事を発見したことである。粘性が負になる現象は,大腸菌溶液において大腸菌がほぼ一方向に泳ぐ事によって起きることがわかっているが,通常の物質で粘性が負になることは初めての発見である。粘性が負になるという事は,自発的な流れが起きることであるので,液晶電気対流を例えば平行平板に入れて発生させると,一方の板が勝手に移動するのでモーターとして利用できることになる。複雑な仕掛けなして電場を印加させるだけでモーターを作ることが可能になるので,マイクロマシンへの応用が期待できる。
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