本研究では、固体表面の状態に関する知見を、表面汚染などの外因的要因を極力排除しながら、液体接触角というマクロな物理量を通じて得ることを目的として、試料調製チャンバーと直結された真空接触角測定装置の開発を行った。真空中で調製されたTiO2単結晶や有機薄膜上における、イオン液体接触角を大気暴露すること無く評価した結果、大気中の水分や炭化水素種の吸着がイオン液体接触角に大きな影響を与えること、イオン液体の親・疎水性の違いによってTiO2と異なる相互作用があること、有機薄膜の被覆率や分子層数を接触角から推測できること等が明らかとなり、その場真空接触角測定が固体表面状態の評価に有用であることが示された。
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