新しい人工脂質膜法を用いた１分子センサーの開発

• 研究課題/領域番号: 15K13725
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 分析化学
• 研究機関: 岡山大学
• 研究代表者: 井出 徹 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (60231148)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円); 2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2015年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: 単一チャネル計測 / センサー / 1分子計測 / 人工膜 / 1分子センサー / チャネル蛋白 / 単一チャネル電流計測 / バイオセンサー / イオンチャネル

研究成果の概要

本研究では、金属電極表面に固定したチャネル蛋白の活性を迅速に測定可能となる装置の開発を目指した。
（ⅰ）膜形成法の改良：人工膜を金属電極と水溶液の界面に効率よく形成することが可能となった。電解研磨した金電極の表面を親水性高分子で修飾し、脂質溶液層を通過させるのみで安定な膜形成が見られ、チャネル形成ペプチドによる単一チャネル電流計測も可能となった。（ⅱ）チャネル蛋白組み込み： 上記電極表面にチャネル蛋白を固定し人工膜に再構成した。電極表面に脂質二重層膜が形成されるのとほぼ同時にチャネル蛋白が膜中に組み込まれた。数種のヒトチャネル蛋白の組込に成功しており、阻害剤による活性の制御も可能となった。

研究成果

• [雑誌論文] A gold nano-electrode for single ion channel recordings (2018)
  • 著者名/発表者名: Daichi Okuno, Minako Hirano, Hiroaki Yokota, Junya Ichinose, Takamitsu Kira, Taiki Hijiya, Chihiro Uozumi, Masahiro Yamakami and Toru Ide
  • 雑誌名: Nanoscale 巻: 10 号: 8 ページ: 4036-4040
  • DOI: 10.1039/c7nr08098k
  • 査読あり
• [雑誌論文] Cry46Ab from Bacillus thuringiensis TK-E6 is a new mosquitocidal toxin with aerolysin-type architecture. (2017)
  • 著者名/発表者名: Hayakawa T., Sakakibara A., Ueda S., Azuma Y., Ide T., Takebe S.
  • 雑誌名: Insect Biochemistry and Molecular Biology 巻: 87 ページ: 100-106
  • DOI: 10.1016/j.ibmb.2017.06.015
  • 査読あり
• [雑誌論文] A Simple Method for Ion Channel Recordings Using Fine Gold Electrode (2016)
  • 著者名/発表者名: Okuno, D., Hirano, M., Yokota, H., Onishi, Y., Ichinose, J., Ide, T.
  • 雑誌名: Analytical Sciences 巻: 32 号: 12 ページ: 1353-1357
  • DOI: 10.2116/analsci.32.1353
  • NAID: 130005433385
  • ISSN: 0910-6340, 1348-2246
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] Artificial bilayers on a substrate for channel recordings (2018)
  • 著者名/発表者名: Toru Ide and Minako Hirano
  • 学会等名: 9th International Workshop on Nanostructures & Nanoelectronics
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] イオンチャネル電流測定の自動化 (2017)
  • 著者名/発表者名: 平野 美奈子, 川島 信幸, 富田 正久, 井出 徹
  • 学会等名: 日本生物物理学会第55回年会
• [学会発表] A simple method for promoting liposome-bilayer fusion. (2017)
  • 著者名/発表者名: 宮谷 浩平, 平野 美奈子, 井出 徹
  • 学会等名: 日本生物物理学会第55回年会
• [学会発表] Characterization of the channel pore formed by Cry46Ab toxin from soil bacterium Bacillus thuringiensis. (2017)
  • 著者名/発表者名: 榊原 暁, 早川 徹, 武部 聡, 井出 徹
  • 学会等名: 日本生物物理学会第55回年会
• [学会発表] Single channel recordings of ion channels immobilized on a solid substrate. (2017)
  • 著者名/発表者名: 井出 徹, 山上 真弘, 平野 美奈子, 横田 浩章, 一ノ瀬 純也
  • 学会等名: 日本生物物理学会第55回年会
• [学会発表] Single molecule measurement of ion-channel proteins. . (2017)
  • 著者名/発表者名: Toru Ide, Saki Nomura, Minako Hirano, Junnya Ichinose, Hiroaki Yokota
  • 学会等名: The Joint symposium of 9th International Symposium on Medical, Bio- and Nano-Electronics, and 6th International Workshop on Nanostructures & Nanoelectronics
  • 発表場所: 東北大学
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Artificial bilayers formed on a solid substrate for ion-channel recordings. (2016)
  • 著者名/発表者名: Toru Ide, Saki Nomura, Minako Hirano, Junnya Ichinose, Hiroaki Yokota
  • 学会等名: The 54th Annual Meeting of the Biophysical Society of Japan (Taukuba)
  • 発表場所: つくば国際会議場
  • 国際学会
• [学会発表] Effects of the electrostatic state of the cytoplasmic domain in the KcsA channel on its gating. (2016)
  • 著者名/発表者名: Minako Hirano, Toru Ide
  • 学会等名: 54th Annual Meeting of the Biophysical Society of Japan (Taukuba)
  • 発表場所: つくば国際会議場
  • 国際学会
• [学会発表] イオンチャネルの1分子計測および操作 (2015)
  • 著者名/発表者名: 井出徹
  • 学会等名: BMB2015
  • 発表場所: 神戸国際会議場
  • 年月日: 2015-12-02
  • 招待講演
• [学会発表] KcsAチャネルの細胞内ドメインによる不活性化への影響 (2015)
  • 著者名/発表者名: 平野 美奈子 、大西 幸子 、 井出 徹
  • 学会等名: 日本生物物理学会年会
  • 発表場所: 金沢大学
  • 年月日: 2015-09-14
• [学会発表] Simple method for lipid bilayer formation with simultaneous incorporation of ion channels using gold electrode (2) (2015)
  • 著者名/発表者名: 井出 徹 、 奥野 大地、 吉良 貴充、 平野 美奈子、 横田 浩章
  • 学会等名: 日本生物物理学会年会
  • 発表場所: 金沢大学
  • 年月日: 2015-09-13
• [産業財産権] 人工生体膜を製造するデバイス及び製造方法 (2015)
  • 発明者名: 井出徹、平野美奈子
  • 権利者名: 井出徹、平野美奈子
  • 産業財産権種類: 特許
  • 出願年月日: 2015-08-04