がん幹細胞の自己複製能と多分化能を制御する因子の解明とがん治療への応用

• 研究課題/領域番号: 15K14409
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 腫瘍治療学
• 研究機関: 慶應義塾大学
• 研究代表者: 杉本 芳一 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (10179161)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2016年度)
• 配分額: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円); 2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2015年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: 分子標的治療 / がん幹細胞 / ABCG2

研究成果の概要

SP(+)細胞は、色素Hoechst 33342の排出能を持つ細胞で、幹細胞形質の一つである。ヒト大腸がん細胞由来116/slug-25細胞より分取したSP(+)細胞では、薬物排出トランスポーターABCG2とヒストンアセチル基転移酵素HAT1の発現が上昇し、ヒストンメチル基転移酵素EZH2の発現が低下していた。116/slug-25細胞のSP(+)細胞は、ヒストンのアセチル化/メチル化に関連する酵素の阻害薬により著明に減少した。SP(-)細胞にshRNAライブラリーを導入するスクリーニングにより、細胞のSP(+)形質を制御する遺伝子を得た。

研究成果

• [雑誌論文] APC mutations as a predictive biomarker for sensitivity to tankyrase inhibitors in colorectal cancer. (2017)
  • 著者名/発表者名: Noritaka Tanaka, Tetsuo Mashima, Anna Mizutani, Ayana Sato, Aki Aoyama, Bo Gong, Haruka Yoshida, Yukiko Muramatsu, Kento Nakata, Masaaki Matsuura, Ryohei Katayama, Satoshi Nagayama, Naoya Fujita, Yoshikazu Sugimoto, Hiroyuki Seimiya
  • 雑誌名: Mol. Cancer Ther. 巻: 16 号: 4 ページ: 739-751
  • DOI: 10.1158/1535-7163.mct-16-0578
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Functional Effects of AKT3 on Aurora Kinase Inhibitor-induced Aneuploidy. (2017)
  • 著者名/発表者名: Noguchi K, Hongama K, Hariki S, Nonomiya Y, Katayama K, Sugimoto Y.
  • 雑誌名: Journal of Biological Chemistry. 巻: 292(5) 号: 5 ページ: 1910-1924
  • DOI: 10.1074/jbc.m116.747048
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Effect of AKT3 expression on MYC- and caspase-8-dependent apoptosis caused by polo-like kinase inhibitors in HCT 116 cells. (2016)
  • 著者名/発表者名: Nonomiya Y, Noguchi K, Tanaka N, Kasagaki T, Katayama K, Sugimoto Y.
  • 雑誌名: Cancer Science. 巻: 107(12) 号: 12 ページ: 1877-1887
  • DOI: 10.1111/cas.13093
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] RSK1 protects P-glycoprotein/ABCB1 against ubiquitin-proteasomal degradation by downregulating the ubiquitin-conjugating enzyme E2 R1. (2016)
  • 著者名/発表者名: Katayama K, Fujiwara C, Noguchi K, Sugimoto Y.
  • 雑誌名: Scientific Reports. 巻: 6 号: 1 ページ: 36134-36134
  • DOI: 10.1038/srep36134
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Upregulation of cellular glutathione levels in human ABCB5- and murine Abcb5-transfected cells. (2015)
  • 著者名/発表者名: Kondo S, Hongama K, Hanaya K, Yoshida R, Kawanobe T, Katayama K, Noguchi K, Sugimoto Y
  • 雑誌名: BMC Pharmacol Toxicol. 巻: 16 号: 1 ページ: 37-37
  • DOI: 10.1186/s40360-015-0038-5
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Cytotoxicity of the sesquiterpene lactones neoambrosin and damsin from Ambrosia maritima against multidrug-resistant cancer cells. (2015)
  • 著者名/発表者名: Saeed M, Jacob S, Sandjo, L, Sugimoto Y, Khalid H, Opatz T, Thines T, Efferth T
  • 雑誌名: Front Pharmacology 巻: 6 ページ: 267-267
  • DOI: 10.3389/fphar.2015.00267
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Cytotoxicity of 35 medicinal plants from Sudan towards sensitive and multidrug-resistant cancer cells. (2015)
  • 著者名/発表者名: Saeed ME, Abdelgadir H, Sugimoto Y, Khalid HE, Efferth T
  • 雑誌名: J Ethnopharmacol 巻: 174 ページ: 644-658
  • DOI: 10.1016/j.jep.2015.07.005
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Activity of the dietary flavonoid, apigenin, against multidrug-resistant tumor cells as determined by pharmacogenomics and molecular docking. (2015)
  • 著者名/発表者名: Mohamed Saeed, Yosikazu Sugimoto, et al.
  • 雑誌名: The Journal of Nutritional Biochemistry 巻: VOL. 26 号: 1 ページ: 44-56
  • DOI: 10.1016/j.jnutbio.2014.09.008
  • 査読あり
• [学会発表] テロメラーゼ阻害剤 MST-312 の即時的制がん効果を規定する因子. (2017)
  • 著者名/発表者名: 藤原千明, 村松由起子, 矢守隆夫, 杉本芳一, 清宮啓之.
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（仙台市）
  • 年月日: 2017-03-27
• [学会発表] 上皮間葉転換に伴って誘導される side population 細胞の性状解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 徳永未来, 加藤優, 杉本芳一, 野口耕司, 片山和浩.
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（仙台市）
  • 年月日: 2017-03-27
• [学会発表] PKCalphaはPim-1Lの発現を制御する. (2017)
  • 著者名/発表者名: 高見麻由,片山和浩, 野口耕司, 杉本 芳一.
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（仙台市）
  • 年月日: 2017-03-27
• [学会発表] HSP90阻害剤はquizartinib耐性細胞の増殖を抑制する. (2017)
  • 著者名/発表者名: 片山和浩, 野口耕司, 杉本 芳一.
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（仙台市）
  • 年月日: 2017-03-27
• [学会発表] KSHV RTAのIL-10プロモーター活性化におけるSp3結合領域の役割. (2017)
  • 著者名/発表者名: 宮澤雅典, 野口耕司, 片山 和浩, 杉本芳一.
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（仙台市）
  • 年月日: 2017-03-27
• [学会発表] PLK阻害剤に対する薬剤感受性規定因子の探索. (2017)
  • 著者名/発表者名: 野々宮悠真, 野口耕司,片山和浩,杉本 芳一.
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（仙台市）
  • 年月日: 2017-03-25
• [学会発表] ABCB5発現細胞における基質化合物の輸送及びメタボローム解析. (2017)
  • 著者名/発表者名: 髙木佳奈, 近藤慎吾, 杉本芳一, 野口耕司, 片山和浩.
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（仙台市）
  • 年月日: 2017-03-25
• [学会発表] 大腸がん細胞株のタンキラーゼ阻害剤に対する感受性予測バイオマーカー候補因子. (2016)
  • 著者名/発表者名: 田中伯享, 吉田喜香, 松村由起子, 杉本芳一, 清宮啓之.
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（横浜市）
  • 年月日: 2016-10-08
• [学会発表] RSKはUBE2R1の自己ユビキチン化を誘導し、P-糖タンパク質の分解を抑制する. (2016)
  • 著者名/発表者名: 片山和浩, 野口耕司, 杉本 芳一.
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（横浜市）
  • 年月日: 2016-10-08
• [学会発表] Aurora kinase 阻害剤耐性細胞に於いて、Akt3は細胞分裂に関するKIF23を制御する. (2016)
  • 著者名/発表者名: 野口耕司, 片山和浩, 杉本 芳一.
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（横浜市）
  • 年月日: 2016-10-08
• [学会発表] AKT-Mycシグナルは、PLK阻害剤耐性に関与する. (2016)
  • 著者名/発表者名: 野々宮悠真, 野口耕司, 片山 和浩, 杉本芳一.
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（横浜市）
  • 年月日: 2016-10-08
• [学会発表] PKCαによるPim-1L-Ser65のリン酸化の機能解析. (2016)
  • 著者名/発表者名: 高見麻由, 片山和浩, 野口耕司, 杉本芳一.
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（横浜市）
  • 年月日: 2016-10-08
• [学会発表] RTAによるIL-10プロモーター活性化に働く協調分子の同定. (2016)
  • 著者名/発表者名: 宮澤雅典, 野口耕司, 片山 和浩, 杉本芳一.
  • 学会等名: 第60回日本薬学会関東支部大会
  • 発表場所: 東京大学（東京都）
  • 年月日: 2016-09-17
• [学会発表] FLT3-ITDのD835変異によるquizartinib耐性. (2016)
  • 著者名/発表者名: 伊藤賢司, 片山 和浩, 野口耕司, 杉本芳一.
  • 学会等名: 第60回日本薬学会関東支部大会
  • 発表場所: 東京大学（東京都）
  • 年月日: 2016-09-17
• [学会発表] AktはAurora kinase阻害剤による細胞の巨核化を抑制する. (2016)
  • 著者名/発表者名: 針木志織, 本釜圭太, 野口耕司, 片山 和浩, 杉本芳一.
  • 学会等名: 第60回日本薬学会関東支部大会
  • 発表場所: 東京大学（東京都）
  • 年月日: 2016-09-17
• [学会発表] P-糖タンパク質による抗がん剤耐性に対する新規治療標的としてのRSKの可能性. (2016)
  • 著者名/発表者名: 片山和浩，野口耕司，杉本芳一.
  • 学会等名: 第20回日本がん分子標的治療学会
  • 発表場所: 別府国際コンベンションセンター（別府市）
  • 年月日: 2016-05-31
• [学会発表] Aurora kinase阻害剤が誘導する細胞分裂不全に対するAkt3の作用. (2016)
  • 著者名/発表者名: 野口耕司，片山和浩，杉本芳一.
  • 学会等名: 第20回日本がん分子標的治療学会
  • 発表場所: 別府国際コンベンションセンター（別府市）
  • 年月日: 2016-05-31
• [学会発表] ABCB5はグルタチオン合成阻害薬の効果を低下させる (2016)
  • 著者名/発表者名: 近藤慎吾, 片山和浩, 野口耕司, 杉本芳一
  • 学会等名: 日本薬学会第136年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県横浜市）
  • 年月日: 2016-03-28
• [学会発表] BET阻害剤に対する耐性メカニズムの検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 石塚周平, 野口耕司, 片山和浩, 杉本芳一
  • 学会等名: 日本薬学会第136年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県横浜市）
  • 年月日: 2016-03-27
• [学会発表] PKCαによるPim-1Lの制御 (2016)
  • 著者名/発表者名: 高見麻由, 片山和浩, 野口耕司, 杉本芳一
  • 学会等名: 日本薬学会第136年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県横浜市）
  • 年月日: 2016-03-27
• [学会発表] RSK1によるユビキチン連結酵素UBE2R1のリン酸化と抗がん剤耐性 (2016)
  • 著者名/発表者名: 片山和浩, 野口耕司, 杉本芳一
  • 学会等名: 日本薬学会第136年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県横浜市）
  • 年月日: 2016-03-27
• [学会発表] RSK1 regulates a ubiquitin-conjugating enzyme E2 R1 that is associated with multidrug resistance in cancer cells. (2016)
  • 著者名/発表者名: 片山和浩, 野口耕司, 杉本芳一
  • 学会等名: Tenth AACR-JCA Joint Conference,“Breakthroughs in Cancer Research: From Basic to Therapeutics”
  • 発表場所: Maui, HI, USA
  • 年月日: 2016-02-16
  • 国際学会
• [学会発表] AKT3 expression modulates chemosensitivity to aurora kinase inhibitors. (2015)
  • 著者名/発表者名: 野口耕司, 片山和浩, 杉本芳一
  • 学会等名: AACR-NCI-EORTC International Conference, Molecular Targets and Cancer Therapeutics
  • 発表場所: Boston, MA, USA
  • 年月日: 2015-11-07
  • 国際学会
• [学会発表] 大腸癌細胞株でのタンキラーゼ阻害剤に対する感受性規定因子 (2015)
  • 著者名/発表者名: 田中伯享, 吉田喜香, 村松由起子, 杉本芳一, 清宮啓之
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県名古屋市）
  • 年月日: 2015-10-10
• [学会発表] RSKはP-糖タンパク質／ABCB1のユビキチン化酵素UBE2R1をリン酸化する (2015)
  • 著者名/発表者名: 片山和浩, 野口耕司, 杉本芳一
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県名古屋市）
  • 年月日: 2015-10-10
• [学会発表] Aurora kinase阻害剤感受性に及ぼすAKT3の効果 (2015)
  • 著者名/発表者名: 野口耕司, 片山和浩, 杉本芳一
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県名古屋市）
  • 年月日: 2015-10-09
• [学会発表] ABCB5遺伝子導入細胞のBSO耐性機構 (2015)
  • 著者名/発表者名: 近藤慎吾, 片山和浩, 野口耕司, 杉本芳一
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県名古屋市）
  • 年月日: 2015-10-09
• [学会発表] P-glycoproteinの発現を制御するFLT3/Pim-1シグナル経路におけるprotein kinase Cの役割 (2015)
  • 著者名/発表者名: 高見麻由, 片山和浩, 野口耕司, 杉本芳一
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県名古屋市）
  • 年月日: 2015-10-09
• [学会発表] Plk阻害薬耐性細胞における細胞死メカニズムの変化 (2015)
  • 著者名/発表者名: 野々宮悠真, 野口耕司, 片山和浩, 杉本芳一
  • 学会等名: 第74回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県名古屋市）
  • 年月日: 2015-10-09
• [学会発表] Aurora kinase 阻害剤に対する薬剤感受性規定因子の探索 (2015)
  • 著者名/発表者名: 野口耕司, 片山和浩, 杉本芳一
  • 学会等名: 第19回日本がん分子標的治療学会
  • 発表場所: 松山全日空ホテル（愛媛県松山市）
  • 年月日: 2015-06-12
• [学会発表] P-糖タンパク質／ABCB1のプロテアソーム分解におけるRSKの関与 (2015)
  • 著者名/発表者名: 片山和浩, 野口耕司, 杉本芳一
  • 学会等名: 第19回日本がん分子標的治療学会
  • 発表場所: 松山全日空ホテル（愛媛県松山市）
  • 年月日: 2015-06-11
• [備考] 化学療法学講座
  • URL: http://www.pha.keio.ac.jp/research/ct/chair.html
• [備考] 研究室紹介 化学療法学
  • URL: http://www.pha.keio.ac.jp/research/ct/chair.html