研究課題
挑戦的萌芽研究
抗酸化酵素SOD3の抗酸化機能がSOD3上の糖鎖構造によって変化することを明らかにした。特に複合型糖鎖を欠損するSOD3は通常のSOD3と異なるがん抑制効果を示すことから、SOD3の糖鎖が、がんの進展に関与する可能性を明らかにした。またマクロファージにおいて、酸化ストレスが糖鎖合成酵素群の発現変化を引き起こし、そのことが異物貪食能を亢進することを明らかにした。これらのことは「糖鎖」と「レドックス」が密接に制御し合う協調システムを明らかしたものであり、現在、成果を論文としてまとめつつある。
本研究は、「糖鎖」と「レドックス」という細胞が持つ一見独立した2つのシステムが密接に制御し合う協調システムを新たに見出し、Glyco-Redox制御異常を背景とする様々な疾患の病因解明と治療法探索に繋がる新しい知見を得ることを目的としていた。本研究で明らかになった、抗酸化酵素SOD3の糖鎖による機能制御、および酸化ストレスによるマクロファージの糖鎖解析と機能解明は、まさに目的としたGlyco-Redoxシステムの一端を明らかにしたものであり、今後、関連疾患の病因解明に繋がることが期待される。
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