研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究は、脂質代謝を可視化する手法の開発と、肥満糖尿病を抑制するアクアポリン7 (AQP7) 依存的脂質制御シグナリングの解明を目的とした。脂肪組織及び培養脂肪細胞において脂肪の合成と分解および脂質動態を無染色に高感度ライブイメージングでき、また、AQP7 が白色脂肪細胞の脂質代謝制御蛋白質を制御し、脂肪の合成と分解の量を変えていることが分かった。当該の機能は脂肪細胞のカテコールアミン誘導脂肪分解においてもマウス個体においても確認された。脂肪細胞によるエネルギー代謝の恒常性の維持、および各種ホルモン放出で全身代謝を制御するにおいて関与すると示唆された。知見は薬剤開発に応用していく計画である。
白色脂肪組織の脂肪細胞は、脂肪の合成蓄積と分解放出により全身のエネルギー代謝の恒常性を担保し、かつ各種ホルモンを放出することで全身の代謝制御に関与する。脂肪代謝を改善させる手段として、脂肪の合成蓄積と分解放出とのバランスに係る経路の重要性が本研究により明らかになった。ヒトの白色脂肪細胞において当該のバランス調整経路を制御する薬剤の、糖尿病への治療効果、さらにはがんや精神神経疾患の治療や予防への応用が期待される。
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Biochemistry and Biophysics Reports.
巻: 7 ページ: 77-83
10.1016/j.bbrep.2016.05.017
http://www.water-channeling-life.com/