研究課題/領域番号 |
15K14899
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
昆虫科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
内海 俊樹 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (20193881)
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研究協力者 |
重信 秀治 大学共同利用機関法人自然科学研究機構 基礎生物学研究所, 生物機能解析センター 生物機能情報分析室
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ブフネラ / アブラムシ / 共生 / システインリッチペプチド / マメ科植物 / 根粒 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、アブラムシ体内の共生器官であるバクテリオサイトに特異的なシステインリッチペプチド(BCR)が、細胞内共生細菌であるブフネラとの共生に必須かどうかを明らかにすることである。 エンドウヒゲナガアブラムシが保持する7種のBCRのうち6種を合成し、大腸菌および根粒菌を被験菌株として生理活性を検討した。その結果、5種には細胞膜の選択透過性を喪失させ、4種には強い抗菌活性があることが判明した。RNAiによるBCR遺伝子の発現抑制を試みたところ、BCR遺伝子の発現とブフネラの転写活性には負の相関が検出され、BCRがブフネラの制御に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マメ科植物の根粒特異的なシステインリッチペプチド(NCR)は、根粒菌との共生に必須である。本研究により、アブラムシのBCRは、マメ科植物のNCRと生理活性も同じであることが判明した。独立した進化をたどったふたつの共生システムでありながら、互いによく似た「共生器官特異的なシステインリッチペプチドが共生微生物を制御している」という驚くべき収斂進化の具体例として、大きなインパクトとなるであろう。 アブラムシは、農作物・園芸作物に甚大な被害を及ぼす害虫である。BCRがブフネラとの共生に必須であることが判明すれば、アブラムシに選択的に効果を持つ新規な殺虫剤の開発のターゲットとして期待できる。
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