研究課題/領域番号 |
15K15261
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
加藤 梧郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (60177441)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Src / アルコール / マウスモデル / タンパク質リン酸化 / エタノール嗜好性 / ROCK / Src / ユニークドメイン / リン酸化 / エタノール |
研究成果の概要 |
Srcのセリン75リン酸化の阻害変異(SA)を導入した遺伝子改変マウスを用いて、エタノールの二瓶選択試験を行ったところ、SAマウスは対照の野生型マウスと比較して、エタノールの消費量および嗜好性が統計学的に有意に上昇した。また、細胞内でSrcの働きを受け継ぐタンパク質の一つとして知られるRhoキナーゼの活性が、SAマウスの脳線条体では、野生型マウスよりも有意に低下し、更に、Rhoキナーゼに影響を受けるAktキナーゼのセリン473のリン酸化が亢進した。これらの成果は、アルコール依存症の発症機序の解明や予防法開発の手がかりになる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Srcタンパク質は、Src型チロシンリン酸化酵素群(SFK)の一つであり、薬物嗜癖などの脳の高次機能に関与していることが予想される。しかし、生体レベルで、Srcの機能を検証する遺伝子改変マウスは得られていなかった。本研究は、Srcのユニーク領域に点変異を導入したセリン75改変マウスを用いることにより、エタノール摂取行動に果たすSrcの機能を初めて生体レベルで明らかにした。アルコール依存症は目下医学社会学的に重大な課題の一つであり、肉体的にも精神的にも大きな苦痛をもたらすが、その有効な薬理学的治療の選択肢が十分でない。本研究成果はそうした状況を突破する可能性を有している。
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