研究課題/領域番号 |
15K15428
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 獨協医科大学 (2016-2018) 浜松医科大学 (2015) |
研究代表者 |
松尾 香弥子 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70399509)
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研究分担者 |
鈴木 勝昭 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00285040)
高貝 就 浜松医科大学, 医学部, 特任教授 (10447807)
涌澤 圭介 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤講師 (30645239)
竹林 淳和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50397428)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 統合失調症 / 幻聴 / fMRI / 拡散強調画像 / 構造画像 / MRI画像 / MRI / 神経イメージング / モーフォメトリー / 精神疾患 |
研究成果の概要 |
統合失調症患者の幻聴について、MRIの高度な撮影法を組み合わせ、聴放線を拡散スペクトラム法(DSI)、ヘッシュル回の萎縮をT1強調画像、一次聴覚野の賦活を音声課題のfMRIによって計測し、健常対照群と比較した。当初の仮説は、患者では聴放線や灰白質の指標は低く、脳活動指標は高いという「神経線維先行(fiber first)」の考えに基づいていたが、結果では逆に、脳活動指標や灰白質の指標は低く、聴放線の指標は高いという「大脳皮質先行(cortex first)」が示唆された。幻聴のある患者では、聴覚皮質の機能低下や萎縮が先にあり、そのために聴放線のコントロール不能が引き起こされている可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
幻聴は統合失調症の最も特徴的な症状のひとつであり、幻聴の存在によって患者の社会機能は大きく阻害される。幻聴発生の病態が少しでも明らかになれば、その治療に役立てられる可能性がある。 本研究ではMRIの高度な手法を組み合わせている。特に聴放線の評価に拡散スペクトラム法を用いている。従来法の拡散テンソル画像法では聴放線のような微細な神経線維の検出は難しい。これに灰白質容積の解析とfMRIとを組み合わせ、神経線維と皮質の性状について統合的な理解を目指すところに本研究の特徴がある。 結果は予想に反し、皮質の機能低下が神経の制御不能をもたらしている可能性が示唆されるという、興味深いものであった。
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