研究課題
挑戦的萌芽研究
近年の高齢化社会の進展に伴い、我が国における骨粗鬆症患者が急増している。骨粗鬆症の進行に伴う骨折は寝たきりの原因となり、死亡率も高めることが大きな問題となっている。長期の臥床生活は骨への荷重減少を招き、これが原因となって骨形成が低下すると考えられていることから、骨形成を促進する効果的な治療法や治療薬の開発が強く求められている。骨形成は骨芽細胞、吸収は破骨細胞が担っており、そのバランスによって恒常性が維持されている。骨細胞は骨における最も存在比率の高い細胞種であり、遺伝学的解析によりメカニカルストレスを感知するセンサーであると考えられている。しかし、メカニカルストレス感知機構は知見が少なく、不明な点が多く残されている。そのためメカニカルストレス感知機構の全容解明には新たな視点からのアプローチが重要であると考えられる。そこで本研究で我々は、ノンコーディングRNA(ncRNA)に着目した。ncRNAはタンパク質をコードしないRNA群であり、ゲノムのエピジェネティック修飾や、転写・翻訳、RNAの安定性など、遺伝子発現の様々な段階で制御因子としての役割を果たしている。本検討では、骨細胞特異的ncRNAによるメカニカルストレス感知の分子機構と骨代謝制御を明らかにすることを目的とし、本研究を実施した。本年度は、骨細胞ならびに骨芽細胞を蛍光タンパク質でラベルしたマウスからFACSを用いて各細胞群を単離し、次世代シークエンサーを用いてncRNAの網羅的発現解析を実施した。これらのncRNAのうち骨細胞特異的に発現するncRNAを20種類同定した。次いで、同定したncRNAを恒常的に過剰発現する骨細胞細胞株を作成し、in vitroにおける機能を検討した結果、石灰化に有意な差が認められた。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 2件、 招待講演 10件) 図書 (6件)
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