研究成果の概要 |
集中治療室(ICU)に入室する重症患者の多くが貧血に陥る.一方 ICU患者に対する輸血は転帰の悪化と関連する.本研究はICU患者の貧血の原因を解明し対策を確立することを目的とした.ICU患者110名(28日以内に輸血を要した輸血群50人,非輸血群60人)を対象とし貧血に関連する様々な因子を検討した.両群間で,鉄,ビタミン等の栄養素やエリスロポエチン等の造血因子に差は認めなかったが,輸血群において炎症反応が強く,検査のための採血量も多かった.この結果,ICU患者が輸血を要する程の貧血に陥る原因は,炎症性貧血と採血量が大きいことを明らかにした.今後,これらに対する治療法の開発を進めていく.
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