研究課題/領域番号 |
15K16162
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境政策・環境社会システム
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研究機関 | 国立民族学博物館 (2017-2018) 東北芸術工科大学 (2015-2016) |
研究代表者 |
蛯原 一平 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 外来研究員 (40589371)
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研究協力者 |
アーロンロン サキヌ
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 資源管理型狩猟 / 民俗知 / 狩猟担い手 / 猟場選択 / 春グマ猟 / 記憶知識 / 猟場形成 / 民俗知形成 / 狩猟担い手育成 |
研究成果の概要 |
本研究では、山形県小国町で行われている春グマ猟を事例とし狩猟の実践において猟場に関する民俗知が形成される過程を分析した。さらに、台湾パイワン族猟師が取り組んでいる狩猟担い手育成に関する情報収集や、伝統的狩猟技術の復元調査を実施した。そして、春グマ猟の実践において不可欠となる猟場の地形地理に関する民俗知が狩猟経験を共有することでしか伝承されないものであり、その伝承には「記憶知識」を豊かに持つ猟師の存在が不可欠であることを明らかにした。さらに自文化に対する誇りや土地に対する強いスチュワードシップがこれら民俗知伝承を促す可能性を有していることも示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
複数年度にわたる狩猟活動への同行調査に基づき猟場の地形地理に関する民俗知の形成過程を実証的に分析することで、民俗知を対象としたエスノ・サイエンス研究や生態人類学的研究、民俗学での生業研究などにおいてこれまで明らかにされてこなかった新たな知識伝承(共有)プロセスを提示した。これは近年、野生動物保護管理論で盛んに論じられている鳥獣捕獲・管理の担い手育成でもほとんど考慮されてこなかった点である。本研究によって、その継承モデルや課題を精査することで、ポスト過疎時代の農山村において今後より一層強く求められる、野生動物との持続性ある共的関係を再構築していく上での理論的な寄与を図った。
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