研究課題/領域番号 |
15K16188
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
砂野 唯 名古屋大学, 生命農学研究科, 特任助教 (20748131)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 酒 / 食文化 / 栄養 / 健康 / 発酵 / 雑穀 / アフリカ / ネパール / 食品栄養価 / 地域研究 / 発酵メカニズム / アルコール耐性 / 乳酸菌 / 地下貯蔵 / モロコシ |
研究成果の概要 |
本研究は、酒を主食とするエチオピアのデラシャ・コンソとネパールのグルン・チェパン・ネワールを対象として、主食となる酒の醸造方法と食品的価値、食生活の実態を明らかにした。調査の結果、発酵に関与する微生物の働きで栄養価が向上しており、いずれの民族が食事とする酒も高い栄養価を示した。また、まず材料を乳酸発酵して酸性状態にし、雑菌の繁殖を防ぐことで、食の安全性と保存性の向上、低アルコール濃度を実現し、日常的な1~5kgもの大量飲酒を可能にしていたことが明らかになった。さらに、エチオピアのデラシャは酒のみから、生存に必要なエネルギーとタンパク質、必須アミノ酸を得ていたことが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
降水量が少なく不安定なため野菜や豆類の栽培が困難な環境に暮らす民族のなかには、穀物の酒を食事とすることで健康を維持しているものもいる。地酒がもつ文化的・社会的な役割に関しては数多くの研究報告がある。しかし、地酒を大量に摂取すると身体的・社会的問題が生じることから、地酒のもつ食品的価値や、どのように地酒を大量摂取する食文化が確立されるのかについては解明されてこなかった。酒を食事とする人びとを調査対象とし、その醸造方法や栄養価、利飲酒実態について明らかにすることは、これまでの地酒は風味を楽しむための嗜好品であるという固定概念を覆し、食品化学や食文化研究に新しい視座を提示することにつながる。
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