研究課題
若手研究(B)
本研究では,非小細胞肺がんに対する肺切除術後患者を対象として,退院後に在宅における非監視型運動療法を導入し,術後の健康関連QOLや筋力,運動耐容能に及ぼす影響を検討した。非監視型運動療法には活動量計と運動のパンフレットを配布し,1セッション30分として,週5回以上,術後3ヶ月実施した。その結果,非監視型運動療法は有害事象を認めることなく実施可能であった。また,今回の対象者から,健康関連QOLの回復は促進しないものの,運動耐容能の回復は促進される可能性も示唆された。今後もさらなる検討を継続予定である。
非小細胞肺がんに対する肺切除術は,術後に身体運動機能や健康関連QOLを低下させることが明らかとなっている。これに対して,本研究では万歩計を用いた自主トレーニングによって,これらの障害から早く回復できないかを検証した。今回の検証では,術後の身体運動機能に関しては,自主トレーニングによって回復が促進される可能性が示唆された。これは術後患者が病院に通わなくとも,万歩計などで意識的に運動をすることによって機能回復が早まる可能性が示され,年間に手術を受けている3万人以上の肺がん患者にとって重要な情報となる。
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