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上座部におけるアビダルマ仏説論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K16622
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 中国哲学・印度哲学・仏教学
研究機関佛教大学

研究代表者

清水 俊史  佛教大学, 総合研究所, 特別研究員 (40718996)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2016-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2015年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード上座部 / パーリ / 註釈文献 / ブッダゴーサ / アーナンダ / ダンマパーラ / 阿毘達磨 / 仏説論
研究実績の概要

本研究は、上座部註釈文献を考察の対象として、アビダルマ文献の正統性を巡る議論(仏説論)を検討し、具体的には以下の点を明らかにした。
1)まず、ブッダゴーサ著『法集論註』、アーナンダ著『法集論復註』、ダンマパーラ著『法集論復々註』の三書を材料にして、そこに説かれるアビダルマ仏説論の全体像を提示した。上座部では、アビアルマ文献が確かに仏陀によって悟られ説示された点を証明するために、複雑な経典解釈や、三蔵には見られない新伝承を持ち出してその正統性を確保しようと努めている。このような態度は、説一切有部におけるアビダルマ仏説論とは全く異なっている。
2)さらに、この上座部におけるアビダルマ仏説論の議論から、今まで未知の典籍であった『大法心』と『大界論』について、それら二書が上座部アビダルマ文献の「外典」的性格を帯びたものであることを明らかにした。加えて、この議論から、アビダルマ文献の一つ『分別論』が現行の形に纏まるまでの成立過程の仮説を提示した。
3)また、仏説論一般・聖典成立史という広い視野からも考察をすすめ、(A)経蔵に収載される「声聞の所説」や、仏滅後の出来事を収めた経論を巡る仏説論について、(B)仏説として容認された経論が、三蔵五部として纏められていく過程について、(C)註釈家ダンマパーラの仏説観、ならびに彼に帰される著作の真作問題と成立順序についても一定の成果を挙げることが出来た。
以上の諸成果より、当初の研究目的は大凡達成できたものと考えられる。さらに副次的な成果として、上座部における三蔵の形成と受容のあり方や、これまで全く未知であった註釈家個人の思想性にまで踏み込むことが出来た。

報告書

(1件)
  • 2015 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 7件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] How many Dhammapalas were there?2016

    • 著者名/発表者名
      Shimizu Toshifumi
    • 雑誌名

      Journal of Indian and Buddhist Studies

      巻: 64(3) ページ: 98-104

    • NAID

      110010051247

    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] パーリ上座部における四大教法の理解2016

    • 著者名/発表者名
      清水俊史
    • 雑誌名

      佛教大学総合研究所紀要

      巻: 23

    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] パーリ上座部における「小部」の成立と受容―結集と隠没の伝承を巡って―2016

    • 著者名/発表者名
      清水俊史
    • 雑誌名

      佛教大学仏教学会紀要

      巻: 21

    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 仏滅後に説かれた初期経典の権威性―『長部』第10経「スバ経」を中心に―2016

    • 著者名/発表者名
      清水俊史
    • 雑誌名

      佛教論叢

      巻: 60

    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 上座部異端派ヴィタンダ論者が言及する『大法心』と『大界論』について―『分別論』成立過程の仮説と、阿毘達磨「外典」の諸相―2016

    • 著者名/発表者名
      清水俊史
    • 雑誌名

      東海佛教

      巻: 61

    • NAID

      40020831688

    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 上座部註釈家ダンマパーラに帰せられる著作群の成立順序2015

    • 著者名/発表者名
      清水俊史
    • 雑誌名

      南アジア古典学

      巻: 10 ページ: 105-129

    • NAID

      40020560645

    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] パーリ上座部における阿毘達磨の因縁と仏説論2015

    • 著者名/発表者名
      清水俊史
    • 雑誌名

      インド学チベット学研究

      巻: 19

    • NAID

      40020837513

    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 上座部註釈家Dhammapala二人説について2015

    • 著者名/発表者名
      清水俊史
    • 学会等名
      日本印度学仏教学会
    • 発表場所
      高野山大学(和歌山県伊都群)
    • 年月日
      2015-09-20
    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
  • [学会発表] 仏滅後に説かれた初期経典の権威性―『長部』第10経「スバ経」を中心に―2015

    • 著者名/発表者名
      清水俊史
    • 学会等名
      浄土宗総合学術大会
    • 発表場所
      大正大学(東京都豊島区)
    • 年月日
      2015-09-15
    • 関連する報告書
      2015 実績報告書

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公開日: 2015-04-16   更新日: 2017-01-06  

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