研究課題/領域番号 |
15K16623
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
喜田川 たまき (渡邉たまき) 筑波大学, 地中海・北アフリカ研究センター, 研究員 (50721685)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 北アフリカ / 食用・薬用植物 / 聖者崇敬 / 農耕儀礼 / アイデンティティ / 基層文化 / オリーブの象徴性 / 聖者信仰 / 北アフリカの民間薬 / 宗教文化の付加価値化 / 祝祭研究 / 宗教学 / 北アフリカ地域 / 食薬植物 / 多層文化構造 |
研究成果の概要 |
チュニジアにおけるオリーブをめぐる習俗は、イスラーム圏にありながら他の地中海地域の影響を受けた複合的文化状況の中で存続してきた。モロッコの習俗との類似性からかつては北アフリカに広くみられていた食用植物への信仰の一形態と考えられ、さらに聖者信仰との融合の諸相が明らかになった。イスラームとアマジグ文化の境界においては段階的なイスラーム化の過程が見出された一方、その影響の少ないアマジグ村落では先祖、精霊、聖者、母の象徴がオリーブの木に複合的に表象され崇敬されていた。オリーブの木への崇敬はオリーブ農耕によって展開した樹木の宗教的体験であり、個人と共同体を再生する機能を有するということが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「食」は我々の命に深くかかわりながらも、その日常性ゆえに現代においてはしばしばその意味が埋没してしまう。東アジアにおいてコメが宗教的意味を持つのと同様に、古代からオリーブオイルの産出地として知られる北アフリカでは、オリーブは農産物に留まらず、人々に命を与えるもの、世界に意味を与えるものとして崇敬されている。本研究は北アフリカのオリーブと聖者崇敬が複合した宗教現象の解明に基づき、既存の研究では捉え切れていなかった「食」の宗教的意味のレベルを考察するものである。
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