研究課題/領域番号 |
15K16640
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
葛西 周 東京藝術大学, 大学院国際芸術創造研究科, 講師 (00584161)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ジャンル論 / 日本音楽史 / ラベリング / ナショナル・アイデンティティ / ポストコロニアル理論 / 満洲 / 台湾 / 朝鮮 / 軽音楽 / 温泉地 / ツーリズム / 劇場文化 / 趣味 / 文化ツーリズム / アマチュア / 映画音楽 |
研究成果の概要 |
本研究は、戦前・戦中期の東アジアにおける音楽ジャンル観の構築と、各ジャンルの音楽を通じたナショナル・アイデンティティの形成について、資料調査に基づき明らかにすることを目的とした。対象時期の新聞・雑誌・ラジオプログラム・レコードなどで音楽ジャンルや音楽関連用語がどのような文脈で用いられ、いかなる音楽内容を意味していたかを、地域ごとに時系列に即して比較・分析した。さらに、各音楽ジャンルが同時期のメディア・プロパガンダといかに結びついていたか、他方で文化統制に応じてそれぞれのジャンルの音楽がどのように再編されたかについて、概念規定と音楽実践の双方の変遷から考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、音楽ジャンルの枠組み自体の不確定性を問題とすることで、新たな視点や史料の読みの可能性を示唆した点にある。各ジャンルの本質的特徴が何であるかは語り手や社会的背景などの条件で変わってくるため、ジャンルをめぐる語りは時に矛盾するほど異なり、音楽実践にも影響を及ぼしてきた。こうした枠組みの不確定性と音楽実践との相互作用についての歴史的実証は、これまで音楽学・歴史学いずれの分野でも見られないものであり、また隣接領域のジャンル論にも寄与できる。同時に、本研究のアプローチは国や分野、時代を問わず、文化を通じたアイデンティティ形成の問題に援用可能である。
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