研究課題/領域番号 |
15K16651
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 日本女子大学 (2017-2018) 京都嵯峨芸術大学 (2015-2016) |
研究代表者 |
山本 友紀 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (30537882)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 近現代美術 / 自然観 / 抽象芸術 / デザイン / 近代美術 / フランス1930年代 / 装飾芸術 / 美術史 / 現代思想史 / 表象文化論 / 思想史 |
研究成果の概要 |
1930年代フランスにおいて科学技術の発展によって獲得された自然に対する新しいイメージが人間の視覚や思考に与えた影響と抽象芸術の展開との結びつきについて解明した。特に「ピュリスム」の運動にかかわったアメデ・オザンファン、フェルナン・レジェ、ル・コルビュジエ、シャルロット・ぺリアンが1930年代に有機的なフォルムを用いた作品に移行していく過程と自然に対する眼差しの影響関係を個々の事例を通じて明らかにした。また、そうした制作活動の転換と当時の社会状況との深い関連性を「リアリスム」の概念の解釈を通じて検討し、自然における様々な発見が抽象表現に結び付く可能性を秘めていたことを論じた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ひとつは、1930年代というまだ研究が未整備な時代を特徴づける思想的原理に着目した点に学術的な意義が認められる。また、1930年代の新しい自然観の展開を、20世紀初頭以来の科学と芸術を結び付けようとするダイナミックな視点と思考法との関連性に着目している点に特色がある。さらに、ピュリスムなどフランスの芸術家たちが形成した自然観から抽象芸術を捉え直すことで、当時フランス美術にとって外的なものとみなされた抽象芸術がフランスにおいて受容されるまでの変遷過程を解明するための新しい視点をもたらしたといえる。
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