研究課題/領域番号 |
15K16681
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
和泉 司 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 准教授 (50611943)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 文学賞 / 同人誌 / 邱永漢 / 田村さえ / 長崎謙二郎 / 芥川賞 / 直木賞 / 〈文学賞〉 / 同人作家 / 夏目漱石賞 / 水上瀧太郎賞 / 文芸同人誌 / ジャーナリズム / 商業化 |
研究成果の概要 |
本研究では、戦後日本の〈文学賞〉が果たした役割について調査と検証を行った。1940年代から50年代の商業文芸誌・同人文芸誌を対象とし、商業文芸誌が創設した新しい〈文学賞〉と、既存の芥川賞・直木賞の関わりや、芥川賞・直木賞が、戦後の経済成長下で権威となり、大規模なメディアイベントとなった過程について考察した。具体的には、1956年に直木賞を授賞した邱永漢の活動と発表テクストの調査と、同人文芸誌「文芸復興」や同じく「碑」で活動した作家である長崎謙二郎・田村さえの作家活動の調査から、〈文学賞〉が戦後社会の文学イメージの方向性を決定づけ、それに左右される作家・読者・市場の関わりについて分析できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1950年代に〈文学賞〉を授賞して作家活動を展開した邱永漢と、〈文学賞〉主体の戦後の文学市場から離れていった戦前にデビューした中高年作家たちの活動をそれぞれ調査し、〈文学賞〉が戦後日本の文学・文化運動の中心となっていったことを確認した。〈文学賞〉=芥川賞・直木賞を中心とした戦後の文学市場のあり方は、作家志望者や読者層の拡大に寄与し、経済成長と進学率の上昇と相まって文学を広く社会に開いていった。しかし一方で、〈文学賞〉の形式化にもつながった。20世紀後半以降の文学・文化の方向性がこの時代の形式化に起因することを確認することができた。
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