研究課題/領域番号 |
15K16682
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
黒田 俊太郎 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (10646946)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 中河與一 / 「天の夕顔」 / 浪漫主義 / 全体主義 / 戦後思潮 / 中河與一「天の夕顔」 |
研究成果の概要 |
本研究は、1948年に公職追放された中河與一(1897-1994)の恋愛小説「天の夕顔」(1938)が、その発表から映画化(1949)を経て1950年代半ばまでの長期に亘り、〈天の夕顔ブーム〉と呼びうる現象を惹起したことの意義を考察した。 具体的には、中河が戦前に創刊した同人誌を見ることで、「天の夕顔」執筆に至る思想的背景を析出し、テクスト分析するとともに、同時代評の収集・解析により人々の「期待の地平」(ヤウス)を測定した。それにより、中河の言論界からの追放後も彼の浪漫主義/全体主義の観念が人々の心性に微温的に潜在し続けたことを示し、1950年代半ばにかけた戦後思潮の一側面を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第二次世界大戦後、中河與一という作家の存在は言論界から封殺され、忘れ去られていった。その一方で、「天の夕顔」というテクストが提供する〈物語〉に対する人々の期待はますます高まっていった。本研究の学術的意義は、そうした特異な状況に注目し、「天の夕顔」の受容層・影響圏の調査結果を踏まえながら、人々の「期待の地平」の変容を測定することで、戦前から戦後にかけた思想状況、及び当時の人々の心性について解明したところにある。
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