研究課題/領域番号 |
15K16718
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
|
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
熊谷 謙介 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (20583438)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 国際情報交換:フランス、ベルギー / 美学 / 哲学 / 世紀末 / 社会思想 / アナーキズム / 文明 / 構成 / ベルギー |
研究成果の概要 |
象徴主義における美術と文学との関係は、一方で伝統的な姉妹芸術という観念や照応の美学を温存し、他方でモダニズムを予告するように、相互に分離し自律した関係を目指すものであった。とくに後者に注目することで本研究が明らかにしたのは、神話や文学的物語への依存を脱却し、描く対象を記号へと還元していくという形式主義的な側面だけではない。抽象(脱神秘化)の後に起こる「記号群の再構成」による世界の再神秘化であり、ゴッホやゴーギャンのようなポスト印象主義やナビ派、アラベスクに象徴される同時代の装飾芸術や、広告などのグラフィック・アート、そしてマラルメをはじめとする象徴主義文学の再解釈の可能性を示す美学である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今まで一致や照応関係を強調されてきた美術と文学の関係について、両者がともに花開いたとされるフランス19世紀末においても、実際には対立や葛藤などを含みこんだ複雑な関係であることを明らかにした。これは、社会に対する芸術全般の意味を考える上で無視できない側面であり、また両者の比較から導かれた象徴主義の再構成の美学は、神話的モチーフという伝統的な側面も備えつつ、20世紀以降、「引用」や「モンタージュ」という形で全面的に展開される芸術の現代性を導くという点で重要である。
|