日本中世前期における書札様文書の拡大に関する国制史・社会史的研究

• 研究課題/領域番号: 15K16833
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 日本史
• 研究機関: 立教大学
• 研究代表者: 佐藤 雄基 立教大学, 文学部, 准教授 (00726573)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2019-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2018年度)
• 配分額: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円); 2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円); 2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円); 2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円); 2015年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
• キーワード: 平安時代 / 鎌倉時代 / 奈良時代 / 書状（書札様文書） / 「公と私」 / 権門 / 古文書学 / 文書史 / 日本中世史 / 比較史 / 書状 / 鎌倉期 / 平安期 / 書札様文書 / 鎌倉幕府 / 得宗書状 / 裁判 / 史料論 / 政治的コミュニケーション / 史学史 / 武家文書 / 地下文書 / 文書論

研究成果の概要

従来、日本の古文書の歴史は、律令国家における官文書からの変容過程、私文書である書状が中世において公文書化するという流れで語られてきた。それに対して、本研究では、律令国家の時代（８世紀）における書状の利用実態を明らかにしたうえで、官文書系統の文書と如何なる関係にあったのか、文書利用全体のなかでの位置づけがどのように変容したのかを明らかにした。それによって「官文書から書状へ」ではなく「官文書と書状」の歴史として日本の文書史を構想した。こうした視角は、中世の権力の理解とも密接に関わるものであり、本研究では「太政官」と家（権門）との関係、鎌倉幕府権力の多面性（下知状と御教書・書状）について論じた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

古代と中世と時代別になりがちな研究状況に対して、書状という古文書に注目して古代から中世までの通史的な見通しを示すことは、古代と中世という時代区分を再考する手がかりを提供するとともに、通時代的な議論を活性化させる役割を果たすと考える。現存する中世文書も実際には書状形式の文書が多く、書状の歴史的重要性を明らかにすることは、日本社会における今後の史料保存にも寄与すると思われる。

研究成果

• [国際共同研究] ソウル大学/国立中央博物館/韓国学中央研究院蔵書閣(韓国)
• [国際共同研究] 南カリフォルニア大学(米国)
• [国際共同研究] ストラスブール大学(フランス)
• [雑誌論文] 書評 木村英一『鎌倉時代公武関係と六波羅探題』 (2018)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 雑誌名: 法制史研究 巻: 67 ページ: 324-330
• [雑誌論文] 書評 近藤成一著『鎌倉時代政治構造の研究』 (2018)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 雑誌名: 史学雑誌 巻: 127(6) ページ: 86-95
• [雑誌論文] 文書史からみた鎌倉幕府と北条氏―口入という機能からみた関東御教書と得宗書状 (2018)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 雑誌名: 日本史研究 巻: 667 ページ: 24-48
• [雑誌論文] 朝河貫一とジョン・ケアリー・ホールの往復書簡の紹介：1910年代英語圏における日本史研究と日本アジア協会の歴史家たち (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 雑誌名: 立教大学日本学研究所年報 巻: 16 ページ: 82-71
  • NAID: 120006332680
  • オープンアクセス
• [雑誌論文] 書評「保立道久著『中世の国土高権と天皇・武家』」(掲載確定) (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐藤雄基
  • 雑誌名: 法制史研究 巻: 66
• [雑誌論文] 朝河貫一とマルク・ブロックの往復書簡 : 戦間期における二人の比較史家 (2016)
  • 著者名/発表者名: 向井伸哉・斎藤史朗・佐藤雄基
  • 雑誌名: 史苑 巻: 76 号: 2 ページ: 276-225
  • DOI: 10.14992/00012094
  • NAID: 120005753392
  • URL: http://id.nii.ac.jp/1062/00012094/
• [雑誌論文] 黒板勝美研究の可能性 (〈特集2〉二〇一五年度公開シンポジウム「史学史上の黒板勝美 : 日米における新たな研究動向」) (2016)
  • 著者名/発表者名: 佐藤雄基
  • 雑誌名: 立教大学日本学研究所年報 巻: 14/15 ページ: 13-14
  • DOI: 10.14992/00012433
  • NAID: 120005848894
  • URL: http://id.nii.ac.jp/1062/00012433/
• [学会発表] Seals and Kao-signatures in medieval and early modern Japan (2019)
  • 著者名/発表者名: Sato Yuki
  • 学会等名: 4th congress of the Asian Association of World Historians (AAWH)（in Osaka University Nakanoshima Center)
  • 国際学会
• [学会発表] 日本史教科書記述と日本法制史―史学史の視点から歴史教育を考える (2018)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 学会等名: 大阪大学歴史教育研究会 第115回例会（於大阪大学豊中キャンパス）
  • 招待講演
• [学会発表] 日本古文書和書状：从古代到中世紀 (2018)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 学会等名: 第七届“中国古文書学”国際学術研討会 （河北師範大学 中華人民共和国石家庄市）
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 中世日本における書札様文書の広がり－古代から中世へ－ (2018)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 学会等名: 歴博フォーラム第108回「日本の中世文書」（於国立歴史民俗博物館、千葉県佐倉市）
  • 招待講演
• [学会発表] 文報告に対するコメント１:日本史の視点から (2018)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 学会等名: 国際シンポジウム：史料形態からみた日本・朝鮮・ベトナム比較史の試み
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 東京帝国大学における史学と国史-史料編纂事業との関わりと卒業生進路から (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐藤雄基
  • 学会等名: 公開シンポジウム「史学科の比較史：草創期から1945年」
  • 発表場所: 立教大学池袋キャンパス（東京都豊島区）
  • 年月日: 2017-03-10
  • 招待講演
• [学会発表] 日本中世における院宣・御教書・直状の展開―所謂「公文書化」をめぐって (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐藤雄基
  • 学会等名: 歴博共同研究「中世文書の様式と機能および国際比較と活用に関する研究」研究会
  • 発表場所: 国立歴史民俗博物館（千葉県佐倉市）
  • 年月日: 2017-03-02
  • 招待講演
• [学会発表] 文書史からみた鎌倉幕府と北条氏 (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 学会等名: 2017年日本史研究会大会
  • 招待講演
• [学会発表] 大久保利武と利謙：立教大学図書館所蔵大久保コレクションからみた大久保父子の学問形成 (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 学会等名: 公開シンポジウム：大久保利謙と日本近代史研究 家族・学問・教育
  • 招待講演
• [学会発表] 古文書学からみた書札様文書研究の課題とその試論 (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 学会等名: 第1回日欧比較古文書科研研究会
  • 招待講演
• [学会発表] 日本文書史上の鎌倉時代－花押と書札様文書を中心にして (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐藤 雄基
  • 学会等名: 科研「史料形態の検討を通じた日朝越比較史研究の基盤形成」研究会
  • 招待講演
• [学会発表] 日本の中世史研究からみた『入来文書』 (2015)
  • 著者名/発表者名: 佐藤雄基
  • 学会等名: シンポジウム「朝河貫一と日本中世史研究の現在」
  • 発表場所: 早稲田大学（東京都新宿区）
  • 年月日: 2015-12-05
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 秦家文書にみる地下文書の様式と機能―秦家文書の調査報告を中心に (2015)
  • 著者名/発表者名: 佐藤雄基
  • 学会等名: 第3回中世地下文書研究会
  • 発表場所: 立教大学（東京都豊島区）
  • 年月日: 2015-06-07
  • 招待講演
• [図書] 中世史講義－院政期から戦国時代まで (2019)
  • 著者名/発表者名: 高橋典幸・五味文彦・佐藤雄基・榎本渉・西田友広・大塚紀弘・小瀬玄士・遠藤珠紀・川本慎自・中島圭一・岡本真・三枝暁子・呉座勇一・阿部浩一
  • 総ページ数: 272
  • 出版者: 筑摩書房
  • ISBN: 9784480071996
• [図書] 『日本法史から何がみえるか』 (2018)
  • 著者名/発表者名: 高谷知佳（編集）、小石川裕介（編集）、佐藤雄基、桃崎有一郎、谷口眞子、丸本由美子、久保秀雄、岡崎まゆみ、見平典、酒巻匡
  • 総ページ数: 342
  • 出版者: 有斐閣
  • ISBN: 9784641125971
• [図書] 『中世地下文書の世界: 史料論のフロンティア』 (2017)
  • 著者名/発表者名: 春田直紀（編集）、佐藤雄基、小川弘和、薗部寿樹、似鳥雄一、榎原雅治、窪田涼子、池松直樹、熱田順、松本尚之、朝比奈新、大河内勇介、呉座勇一、渡邊浩貴、大村拓生、坂本亮太、山本倫弘、高橋一樹、湯浅治久、鶴島博和
  • 総ページ数: 320
  • 出版者: 勉誠出版
  • ISBN: 9784585226758
• [図書] 『朝河貫一と日欧中世史研究』 (2017)
  • 著者名/発表者名: 海老澤衷・近藤成一・甚野尚志編（似鳥雄一・佐藤雄基・中村治子・山内晴子）
  • 総ページ数: 312
  • 出版者: 吉川弘文館
• [図書] 『生活と文化の歴史学 6 契約・誓約・盟約』 (2015)
  • 著者名/発表者名: 酒井紀美編 （佐藤雄基,則竹雄一,古野貢,大喜直彦,小林一岳,川端泰幸,平井上総,志賀節子,東島誠,櫻井彦,河内将芳,渡辺滋,田村憲美,矢部健太郎,窪田涼子,藤井崇,高谷知佳）
  • 総ページ数: 494
  • 出版者: 竹林舎
• [図書] 『近代日本のヒストリオグラフィー』 (2015)
  • 著者名/発表者名: 松沢裕作編（佐藤雄基,寺尾美保,廣木尚,中野弘喜,河野有理,高木博志,太田智己）
  • 総ページ数: 240
  • 出版者: 山川出版社