研究課題/領域番号 |
15K16849
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
澤井 一彰 関西大学, 文学部, 教授 (80635855)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 自然災害 / 環境史 / 東洋史 / 地中海世界 / オスマン朝 |
研究成果の概要 |
本研究の成果としては、雑誌論文6件、学会発表11件、図書3件を挙げることができた。成果の内容は、1660年のイスタンブル大火を中心に、16世紀後半に慢性的に見られた気候の寒冷化とそれに伴う自然災害の増加、1563年のイスタンブル大洪水、1586年に黒海で発生した嵐による海難事故、1715年のイスタンブル大地震等、多岐にわたる。 研究目的に掲げた、人文学とりわけ歴史学の強みを生かした、いわば「人と自然環境との対話」に重点を置いた都市災害史研究として、自然災害そのものよりもむしろ、その後の復興や事故処理における人間の努力や模索の実相をあきらかにし得た点が、本研究の最大の特徴である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで災害史研究で先行してきた自然科学分野による研究の空白とも言うべき「人と自然環境との関係性」に着目し、とりわけ災害後の復興における人間の努力と模索の諸相を歴史学的手法を用いてあきらかにした点において、本研究の成果は大きな学術的意義を有する。 また従来の歴史学においては、世界を西洋、東洋、日本に分割して個別的な研究に沈潜する傾向にあった。しかし本研究は、都市における自然災害という人類共通の問題に取り組んできた。そのため本研究の成果は、オスマン朝史が属する東洋史はもちろん、西洋史や日本史の研究者にも共有され、比較や連関の観点から世界を一体のものとして捉え得るという社会的意義をも有している。
|