研究課題/領域番号 |
15K16854
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
鍵和田 賢 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (70723716)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 宗教間対立の原因とその解決方法 / 宗教的寛容の形成の歴史的背景 / 近世神聖ローマ帝国における紛争解決のあり方 / 宗派対立とその解決 / 宗教的寛容 / 神聖ローマ帝国における紛争解決 / 宗派共存 / 対話による紛争解決 / 宗教の差異がもたらす日常生活の危機 / ドイツ近世史 / 神聖ローマ帝国 / ケルン都市史 / 宗教社会史 / 宗教紛争 / 宗教の共存 / 神聖ローマ帝国史 |
研究成果の概要 |
本研究は、異なる信仰を持つ集団同士が、紛争を経つつもいかにして「共存」を実践していたのかを、カトリック・プロテスタントの宗派対立に揺れていた近世神聖ローマ帝国を対象に明らかにすることを目指した。具体的には都市ケルンを対象として、当市で生じた宗派紛争とその解決策を分析した。 分析の結果、宗派紛争とは純粋な宗教的理由から生じたものでは必ずしもなく、しばしば非宗教的要因が宗派紛争に転化していたこと、紛争当事者はある程度戦略的に「宗派問題化」させていたこと、宗派対立そのものの解消ではなく紛争の原因となった非宗教的要因の解決により妥協が図られていたことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近世西欧の宗派対立期についての歴史研究においては、人々が異宗派の隣人たちと日常生活を送るなかで「実態としての宗教的寛容」が形成されていったことが指摘されている。これらの研究は宗派紛争を防ぐ試みに関心を寄せる反面、宗派紛争が発生するメカニズムそのものに対する関心が相対的に弱かった。本研究は、非宗教的要因が「宗派問題化」する過程を詳細に明らかにすることで、先行研究のそのような課題に一定の解決策を示すことができた。 本研究から得られた宗派紛争のメカニズムに関する知見は、現在世界各地で課題となっている、宗教間の対立をいかに防止し共存を図っていくかという問題に一定の示唆を与えるものであると思われる。
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