研究課題/領域番号 |
15K16856
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 上智大学 (2018) 茨城大学 (2016-2017) 東京大学 (2015) |
研究代表者 |
藤崎 衛 上智大学, 文学部, 准教授 (50503869)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 教皇庁 / 教皇領 / ローマ |
研究成果の概要 |
都市ローマおよび教皇領という土地と社会は、教皇を支える無数の人材や物資の供給地として、ときに権力闘争をもたらす地盤として機能した。教皇領に関しては、教皇領統治のための代官がどの程度、教皇側近である教皇礼拝堂付司祭を経験者していたのかを調査した。その結果、13世紀を通じて、両職務がしばしば重複していることを確認できた。これは教皇権が代官の職務を重視していたことを示す。中世ローマの統治については、教皇庁と対立すると捉えられがちな元老院政府の特徴を検討し、諸勢力にうまく対応しながら折々の状況を切り抜けるという、その柔軟性をとらえることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世ヨーロッパにおける宗教的権威者であるローマ教皇は、ローマという都市および教皇領という領域を統治する、いわば世俗的な支配者の顔も有していた。本研究は、聖と俗として単純に分けて考えることのできない歴史上の一事例の検討を提供した。また、都市や領域の支配において理念上の支配者は存在するものの、実際の統治にあたっては数多くの実務を担う個人や集団が媒介するという現実について確認することができた。そのうえで権力レベルの上下関係の中での、あるいは同じレベルでの競合する集団同士での反発や妥協の実態を描き出すことができた。
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