研究課題/領域番号 |
15K16862
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
福士 純 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (60600947)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | カナダ史 / アメリカ史 / イギリス帝国史 / 経済史 / 米加互恵協定 / イギリス帝国連邦運動 / ナショナリズム / カナダ・ナショナリズム |
研究成果の概要 |
本研究は、19世紀後半から20世紀初頭のカナダにおける対米互恵論の意義を再検討するものであり、研究の結果、以下の点を明らかにした。 米加の経済利害に関して、カナダの製造業者は互恵に反対し、反米のためにイギリス帝国の一体性強化を訴えた。他方、アメリカの製造業者は、互恵に反対する一方でカナダへの支工場建設と米加分業に基づく米加経済関係強化を主張しており、「互恵反対」という点で両者の利害は一致していた。またカナダ政治に関して、当該期のカナダ自由党の議員の多くは、米加互恵論を支持していた。しかし、彼らは帝国の枠内にありながら対米経済関係の強化を望み、米加互恵と帝国内での自治強化の両立を目指していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、第一に当該期のカナダにおいて米加互恵論は一定の支持を得ていたが、その理由は多様であり、一枚岩ではなかったという点である。加えて、米加互恵論が「反英的」でイギリス帝国からの分離・独立を目指すものではなかったという点は、「互恵支持=親米」、「互恵反対・帝国関係強化=親英」といった二元論でカナダの経済政策志向を理解してきた従来の研究に再検討を促すものである。本研究にて示した帝国内でのカナダの発展と米加互恵に基づくカナダの発展の両立という主張は、カナダにおいて米加互恵論が単なる二国間経済関係の強化以上に意義を有していたことを示すものであり、この点に注目した点が本研究の意義である。
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