研究課題/領域番号 |
15K16891
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 立正大学 (2016-2018) 同志社大学 (2015) |
研究代表者 |
本岡 拓哉 立正大学, 地球環境科学部, 特任講師 (60514867)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2015年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 河川敷 / 都市 / 居住 / 空間の政治 / 都市社会地理学 |
研究実績の概要 |
本年度の研究成果については、まず、「戦後東京、「バタヤ」をめぐる社会と空間」を『ジオグラフィカ千里』第1号に発表した。廃品回収に従事する「バタヤ」の状況を社会と空間との関係に注目しながら明らかにした。また、2018年6月に開催された立正地理学会2018年度研究発表大会にて、「河川敷居住の生成と消滅をめぐる行政対応:静岡・安倍川を事例に」の口頭発表を行った。ここでは前年度、立正地理学会『地域研究』第58号に発表した「戦後都市の河川敷居住の生成・消滅過程:行政対応に注目して」の成果を踏まえて、とりわけ静岡市を流れる安倍川を事例とし、河川敷居住の生成過程や社会的実態を明らかにした上で、消滅をめぐる行政対応のあり方を明示するものとなっている。 そして、これまでの研究成果を集約した形で大月書店から『不法なる空間にいきる―占拠と立ち退きをめぐる戦後都市史―』を刊行した。本書は、その後「不法占拠」と位置付けられながらも、都市に生きる人々の住まいの場でもあったバラック街という空間を対象にしており、本課題のテーマである河川敷居住も含まれる。「不法」なる空間の多様な実態および形成から消滅までの複線的な過程、それに付随する政治の多面的なあり方を、様々な資料から実証的に明らかにし、戦後の都市史や都市研究に対するオルタナティブを提示している。さらには、バラック街、河川敷空間に生きた人々の活動や運動を辿り直すことで、現在および未来の都市において、貧困に追いやられ、排除される人々の「都市への権利」がいかにあるべきか考察し、よりよいあり方を実現するための一助にもなることも期待される。
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